名古屋市・愛知県での会社設立・法人設立・起業支援|名古屋市西区の税理士


税法の欠陥を利用する



今回は消費税について考えてみます。

税法の規定からすると、消費税は事業者が納付する税金であって、

消費者が納税するものではありません。

当たり前のように消費税を負担させられている消費者には迷惑な話ですが、

これが消費税の特徴なのです。

この特徴は、消費者が消費税と思って払ったものが

税務署に全額納税されない欠陥を持っています。

税法がどのようにして消費者に消費税を負担させたらいいかを規定していないからです。

この消費税の欠陥は消費税を節税するうえで重要なポイントとなっています。



事業者が消費税を逃れる第一の手段は、消費税の課税業者にならないことです。

消費税は年間の売上金額が1000万円を超えた場合に課税業者になって納税義務が発生

することになっています。

年間売上が1000万円以下の小規模事業者は経理処理その他が大変だから消費税は

払わなくていいことになっているのです。(納税義務の免除)

この売上金額が1000万円以下であるかどうかは、基準期間の売上金額で判断します。

基準期間とは、2年(事業年度)前の期間のことを指します。

そして、ここに大きな節税ポイントがあるのです。

例えば、個人事業者が平成21年に商売を開始した場合、基準期間は平成19年になります。

平成19年は商売を始めていませんから、当然ながら売上金額は0円です。

翌年平成22年の基準期間は平成20年です。

同じく売上金額は0円です。

すなわち、平成21年と平成20年は納税義務がないことになります。

この2年間に関しては、売上金額が100億円あっても、いや例えトヨタ並みの売上金額が

あろうと消費税は全く納めなくてもいいのです。

あまりにも不合理で不公平な取り扱いですが、現在の税法ではそうなっています。

それは新しく商売を始める場合だけとは限りません。

現在の個人経営を法人組織に変更した場合でも同じです。

新しく設立した法人には「2年前の売上」がないのですから、

個人経営のときと同じ商売をしていても消費税を払わなくてもいいのです。

(但し、資本金額が1000万円以上の法人の設立当初の2年間については、

納税義務は免除されません。)


ということは。


    個人事業

      ↓   2年後、資本金額1000万円未満の法人を設立

     法人     
             
      ↓   2年後、清算し個人事業に戻る

    個人事業

      ↓   2年後、資本金額1000万円未満の法人を設立

     法人 
        
      ↓   2年後、清算し個人事業に戻る

     個人事業
     
      ・ 
      ・   
      ・   
      ・
      ・

これを根気よく繰り返せば、永遠に消費税を支払わなくてすみます。

しかし、消費税は節税できても、こんなことばかりしていたら

社会的な信用度はなくなってしまうでしょうね。

さらに、何の合理的な根拠もなく繰り返す場合は、脱税まがいの行為とされてしまいます。

それでも、少なくとも個人事業を法人に組織変更することについては適切な商行為なので

合法的な節税になります。


事業を始める方の多くは、いきなり会社を作ってスタートしようとします。

まず、格好から、ということでしょうか。

しかし。ちょっと待って下さい。

最初から会社でいく場合、消費税の免除される期間は2年のみです。

先述のように、個人事業から初めて2年後に会社にすれば通産4年間消費税が免除されます。

開業当初は資金的に苦しいことが多いはずです。

個人事業で始めることに大きな支障がなければ、形よりも実をとった方が

いいのではないでしょうか?

(もちろん、経営は税金のことだけではありません。それに法人からのスタ-トでなければ

ならない業種もあります。そのへんはそれぞれ自分に合ったやり方でいいと思います。)



もし永ちゃんがこれから事業を始めるとして、この消費税のしくみを聞いたら、

どうしでたしょうね?
 
そもそもこのようなチマチマしたことには、あまり興味がないかもしれません。(笑)

それよりも、少しでもいい曲を、いいステージを、貪欲に追求していくことに

集中することでしょう。

その方が永ちゃんらしいね。






消費税の納税義務者



消費税の納税義務者は誰でしょうか?

「そんなの決まっているじゃないの、物を買った消費者だよ。」

そう思われる方が多いことでしょう。

しかし、そうではありません。

消費税の納税義務者は事業者です。

「えー? でも消費者が消費税を払っているのも事実でしょ。」

「それに、お店で買い物をすると 「消費税を預からせていただきます。」とか

「消費税を頂戴します。」と言われることがありますよ。」

その通りです。

確かにお店ではそのように言われることが多いです。

しかし、そのような言い方は間違いです。

お店は消費税の徴収の委託を受けているわけではありません。

税法を真正面にとらえると、事業者が「消費税を預かります」と言うのは詐欺です。

預かる権限のない者が消費税を預かると言うことはできないのです。

あくまで消費税の納税義務者は事業者であり、

事業者が自分の責任で納税しなければならない税金なのです。



人生、仕事ばかりではどこかで無理が出てきます。

だから、休む時にはしっかり休むことも大切だと思います。

では、永ちゃんの休みの取り方はどうでしょうか?

毎年恒例、コンサートツアーの締めくくりの武道館5日間。

これが終わると、しばらくはお休みに入ります。

そして、しばらく休んでいると、自然と音楽がしたくなるのだそうです。

ムクムクッと。

次のステップのための、いい休みの取り方をしたいものですね。






別荘



事業を起こす時、経営者は夢を抱きます。

成功した証として何がしたいか。

それは人によって様々です。

ポルシェやフェラーリに乗る。

自社ビルを建てる。

自分専用の秘書を置く。

愛人を作る。(笑)

  ・
  ・ 
  ・
  ・
  ・

そして、中には別荘を持つ、という経営者もいます。

この別荘、社員の福利厚生の目的であれば、特に問題はありません。

しかし、大半の経営者は自分個人のために別荘を作ってしまいます。

しかも、会社名義にして、経費で落そうと考えるのです。

名義が会社にさえなっていれば、何でも経費になってしまう、

と思っている経営者は多いです。

しかし、そんなに甘くはありません。

税務調査ではあの手この手を使って、実質経営者個人のものであることを

突き止めていくのです。

第一に、山にある別荘であれば 「山の家利用規定」 の提出を求めてきます。

社員が平等に使える状況にあるかを確認するのです。

次いで、 「利用申込書」 の提出を求められます。

社員が実際に利用しているかが問われるのです。

そして、最後に止めの一発が炸裂します。

「すみません、ちょっといいですか?」

社員のAさんが、税務調査官に声をかけられます。

「はい、何でしょうか?」

「「山の家」までは駅から歩いて何分ですか?」

経営者はあわてますが、時はすでに遅し。

「何ですかそれっ?」
  
   ・
   ・
   ・
   ・


その結果。

別荘にかかった費用は、経営者個人に対する賞与、とされてしまいます。

一方、法人への損金処理も否認されます。

すなわち、法人税と所得税、ダブルの追徴課税が決定するのです。(往復ビンタ)

   
どうせ、会社の「山の家」などは社員の利用が一巡すると、誰も行かなくなることが多いです。

それに、経営者自身も多忙で、そんなに頻繁には行くことが出来ないでしょう。

それなら、最初から社員と喜びを共有する道を選択した方がいいですよね。

経営者は小細工することなく、もっと大きな視野に立って、生きたお金の使い方を

考えた方がいいと思います。



永ちゃんも、BIGになった時、山中湖に豪邸を建てましたよね。(心ないファンによって悲しい

結果になりましたが)

自分の夢が形になった時、どんなにか、うれしかったことでしょう。

男にはやっぱり目標が必要ですね。





棚卸資産の評価損



在庫(棚卸資産)について、次のように思い込んでいる経営者がまれにいます。

「景気が悪いと在庫が増えるから、在庫を減らせば赤字も消える(利益が出る)」

すなわち、在庫を減らせば資金繰りが楽になって利払いを減らすことができ、合わせて

倉庫料などの諸費用を削減できるので、利益が増加する、と判断しているわけです。

しかし、この経営的判断と会計上の理屈は正反対です。


在庫が増える → 売上原価が減る → 利益が増える

在庫が減る → 売上原価が増える → 利益が減る

この流れをしっかりおさえておかないと、会社の経営的判断を誤ってしまいます。


この在庫金額は利益調節に利用されることが多いです。

いうまでもなく、決算金額をコントロールするために在庫を調節するのは違法です。

特に、在庫金額を過少計上して所得金額を減少させる行為は「脱税」になります。

このような脱税のための在庫落しは、けっしてやってはいけません。

しかし、在庫を落せば必ず脱税になるわけではありません。

適法に在庫を落す方法、すなわち、節税のために在庫金額を落す方法があるのです。


それは、棚卸資産の評価損の計上です。

棚卸資産は原則として取得価額を基に計算します。

しかし、破損、型崩れ、たなざらし、品質変化などがあり、通常の方法によって販売すること

ができなくなった商品については、「決算期末時点での処分可能金額」で評価することが

できます。

(その他、季節商品で売れ残ったもの等々)

勝手に評価を下げるのは脱税です。

さらに、棚卸資産の時価が単に物価変動、過剰生産、等の事情によって低下した場合でも

評価損の計上は認められません。

しかし、これら特別の事由がある棚卸資産の評価を落すのは節税なのです。

覚えておいて、1円でも余分な税金を払わないようにしましょう!。



永ちゃんのコンサ-トツアー等で売られているグッズ(タオル、トランボ等)。

ツアータイトルや年が入ったものは、翌年になれば「季節商品で売れ残ったもの」として、

棚卸資産の評価損の計上ができるでしょうか?

ポイントは今後通常の方法により販売することができるかどうかです。

私がこの会社の顧問税理士ならば、積極的に評価損を計上して、少しでも納税額を減らす

ことを考えるでしょう。

でも、一永ちゃんファンの心情としては、売れ残りという、レッテルを

永ちゃんグッズに貼りたくはありません。

う~ん。

こうなったら、私が全て買取りましょうか。(笑)





心の中にある桜



桜はいいですね。

どんなに辛く寒い冬でも、春になれば必ず花が咲いてくれます。

日本に住んでいると当たり前になってしまいますが、うれしいことです。

しかし、人の心の中にある桜はそうではありません。

頑張っていないとけっして咲くことはないでしょう。

永ちゃんも昔こんなことを言っています。

「マジな気持ちで前を見ていたら、きっと何かが微笑んでくれる・・・・・・。」

いつも前向きな気持ちで真剣に頑張る。

それは、何事においても成功するための必須条件だと思います。





 

領収書とレシート



会社の経費に計上する場合、証憑書を保管する必要があります。

それに関連して、次のような質問をたまに受けることがあります。

「レシートではダメですよね?ちゃんと領収書をもらわないと。」

レシートには支払者の名前等が書かれていなかったりするので、正式には認められないと

思われているようです。

確かに昔はそうでした。

でも、現在は少し様子が違います。

税務署では、レシートの方がかえって信憑性が高いとされていることもあります。

なぜなら、よからぬことを考える人(脱税者)は個人的な物を買って、それを経費にする場合

都合がいいと考えるからです。

例えば、デパートで自分の服を買って、「事務用品費」と経理したりするケースです。

しかし、レシートの場合、店名や所在地だけではなく、購入した品名まで印字されてしまい

ます。

先の例では、「スーツ、ネクタイ」と印字されてしまっては、経費には計上できません。

飲食代の場合もそうです。

中には、レシートに誰が利用したかまで印字するお店があるのです。

「大人2人、子供2人」、もしくは 「定食2名、お子様ランチ2名」

社長の家族構成とばっちり同じなら、調査のときに疑われることでしょう。

さらに、スーパーやデパートの中には、レシートから、どの売り場で何を購入したかがわ

かるようになっていることが多いです。

これでは、スーツを買っていることが、調べられれば簡単に分かってしまいます。

それゆえに、脱税者はレシ-トでは都合が悪いので、領収書に書き換えてもらうのです。

みなさん!奥さんに、スーパーへ晩御飯のおかずを買いに行かされて、

悔しいのでせめて経費で落そうと、領収書を書いてもらった、ということありませんか?

えっ、お前と違うって。

失礼な。

私は経費にはしていません。

たとえ行かされても。(涙)



経費と言えば。

永ちゃんのコンサートのチケット代を会社の経費に計上している人。

いるかもしれませんね。

もちろん、お得意先を招待して交際費で落す、というケースです。

これなら経費になります。

極上の接待ですから。

まさか、自分と彼女(彼)、もしくは家族と一緒に行ったのに経費にしている人

はいないでしょうね。

「仕事をするための、俺の唯一のエネルーギ源なんだ。」

「これがあるから仕事を頑張れるんだ!」

「コンサートに行けると思うから、頑張ることができて、結果売上増加につながってんだ。」

気持ちはよく分かります。痛いほど。

私が税務調査官なら、100%認めます。(笑)

しかし、拡大解釈しすぎです。

実際の調査で発覚すれば、間違いなく否認されます。

あくまで個人的なものとされるのです。

もちろん、永ちゃんのコンサートに限らず。

注意しましょう。










一点集中主義


私は子供の頃から野球が大好きでした。

今でも、年に何回かはナゴヤドームに足を運んで楽しんでいます。

私が生まれてから初めてドラゴンズが日本一になった

試合も球場で観ていました。

それはもう、うれしかったですね。



そういえば、永ちゃんがプロ野球の話をしているのを聞いたことがありません。

おそらく、全く興味がないのでしょうね。

さらに言えば、全てのスポーツに関してあまり興味がないように感じられます。


以前、とんねるずの「ねるとん紅鯨団」に永ちゃんが出た時。

と言っても、「お友達からお願いします!」の方ではありません。

もちろん、ゲストです。


石橋 「矢沢さん、何組のカップルが成立すると思いますか?」

     ・

     ・   (永ちゃんと石橋の間で、何組できるかのやり取りがあって)

     ・       
   
     ・
     
     ・

     
石橋 「もしズバリ当った場合には、ミズノからお好きなスポーツの用品が1年分プレゼントさ

    れますが、矢沢さんは何のスポーツにしますか?」


永ちゃん 「何でもいいよ。」


石橋 「何でもいい、と言われても困りますので何かありませんか?」


永ちゃん 「う~ん、じゃあ、テニス。」


石橋 「え~、矢沢さんテニスをなされるんですか? タオルを肩に掛けて・・・・・」(口をとがら

    せ、永ちゃんがテニスをするマネ)  


永ちゃん 「だから、何でもいい、と言っただろう!」  (おちょくられて、少し怒る)



想像ですが、永ちゃんはテニスをしたことがないのではないでしょうか?

永ちゃんは若い頃から苦労をして、その道一筋で突っ走り、スーパースターの座

を手に入れました。

その過程における努力や集中力は並大抵ではなかったことでしょう。

そんな中、「ちょっと趣味でスポーツを。」、などという感覚はおそらく永ちゃんにはなかったこ

とと思います。

人と同じように楽しんで、人と同じようにスポーツをして、人と同じように・・・・・・・・では、やっ

ぱり人と同じ、すなわち人並みにしかなれないのです。


「やるときはとことんやる!」 

余計なことは一切しない。

これと決めたことに、一点集中主義で全精力を傾ける。 

人より上に行こうと思ったら、

TOPになろうと思ったら、

それを徹底しないといけません。

永ちゃんのように。





 

決してぶれない


私の知っている会社で、実際にあったことです。


会社の女性社員と仲良くなる

   ↓

愛人にする

   ↓

会社を辞めさせる

   ↓

そのまま給与を支払い続ける


もちろんこれは脱税です。

名目は給与でも実際は愛人手当だからです。

当然ながら、会社の労働ではない支払は経費になりません。(架空給与)

しかし、バレにくいのも事実です。

○架空といっても実在する人への支払いであること。

○しかも、実際に働いていたことがあり、その延長であること。

○その女性自身も了承済みであることj。

それでも、結局は税務調査で見つかっちゃったんですけどね。

その詳細はここでは残念ながら書けませんが、思わぬところでボロが出るものです。


それならば、その愛人を実際に社員として働かせていた場合はどうでしょうか?

その場合のポイントは、他の社員の給料との比較です。

あまりにも金額がかけ離れていれば怪しまれます。

税務署にも他の社員にも。

しかし、給料の額は労働時間だけで決まるものではありません。

開き直ってしまえば、結構いけるかも。

おっと、危ない。

私はここで脱税を勧めているわけではありません。

脱税のような姑息なことはしてはいけません。



男というのは何か目標を定めてそれに向かって突っ走る

、という形でないと頑張ることができません。

女性は違います。目標がなくても頑張れます。

戦後まもなくの日本、あたり一面は焼け野原で、

明日への希望がなかなか見出せない時代でした。

そのときでも、男は全く元気がありませんでしたが、

女性は強くたくましく生きようとしていたといいます。

今を生きることが出来る女性と違い、

男は先が見えていないとダメなのです

会社を経営する場合も同じです。

男は夢や目標を設定しないと頑張れません。

それは人によってそれぞれ違います。

金、名誉、物、・・・・・・・・・・・・・

そして、女性。

もし、愛人を持つことが夢なら、それもありかな、と思います。(いい悪いは別にして)

それがエネルギーになって頑張れるのなら。

それにしても、私の周りにはそういう人が多くいすぎですけどね。(笑)



永ちゃんの場合もやっぱりそうでした。

「金持ちになりたい」   

若い時に心の底から湧きあがった、あのパワーは絶大でした。

目標を高く掲げて、それに向かって何があってもがむしゃらに突っ走る。

決め手はその方向と強さにおいて絶対に 「ぶれない」 こと。

永ちゃんのBIGになる過程での執着心と根性は、全ての経営者の見本になると思います。


あっ!そういう意味では、あの愛人を作った社長も 「ぶれなかった」 のかな?(笑)





永ちゃんのプロ根性



永ちゃんはゲネプロ(本番を想定したいわゆる予行演習)を誰よりも徹底して行ないます。

それはまだ若い頃から、大御所になった今でもで変わることはありません。

誰でも、同じことを繰り返し繰り返し行なうのはイヤなはずです。

「もう、このへんでいいだろう。」

自分で止めることができるなら、早々に切り上げたくなることでしょう。

しかし、どんなに苦痛を伴ったとしても、それを妥協をすることなく続けらるのは、

「ファンに少しでもいいものを観てもらいたい、そして楽しんでもらいたい。」

そんな真っ直ぐな気持ちの表れだと思います。


一方、ライブで一番うれしそうなのは永ちゃんです。

観に来ている私達永ちゃんファンよりも、もっと楽しんでいます。

それが出来るのも全て、そこに至るまでの地道な事前準備があったからこそです。


人の見ていないところで最大限の努力をして、本番では誰よりも楽しむ。

永ちゃんに真のプロ根性を感じます。

私も永ちゃんと同じ心構えで、日々の仕事に励んでいきたいと思っています。



脱税的本能


人間、特に日本人には収入金額をより少なく見せようとする意識が強く働きます。

郵便局にて

「中には幾ら入っていますか?」

「3万円です。・・・・・・・・い、いいえ5万円です。」

現金書留を送る時に中身の金額を聞かれて、思わず少なめに答えてしまった経験

はないでしょうか?

万一の郵便事故のことを考えれば、中身の金額は大目に答えておいた方が得なのに

、どうしても少ない金額を言ってしまうものなのです。

子供の頃においても、そうです。

お父さん  「ファミコンを買いたいと言っていたけど、お金は貯まったのか?」

子供  「3万円するんだけど、まだ1万円しか集まってないの。」

実際は2万円持っていても、こう言ったりしませんでしたか?

これらのことは、元々備わった脱税的本能がそうさせているのです。

本能的行為は単純で明解なものが多いです。

だから、脱税の初歩、すなわち脱税に手を染めるのは、売上げをズルするところから始まる

のだと思います。

そして、本能である以上、ほとんどの人に生まれもっての脱税願望が存在します。

「えっ!あの人が・・・・・・・・・・・・・・。」

そんな脱税ニュースが、ときたま報道されるのも無理もないことなのかもしれません。

私も仕事がら、たくさんのそういった実例を見てきました。

その一方、本能をきちんと抑え込み、真面目に申告納税されている方も大勢います。

本能に負けてしまう人

本能に打ち勝ち、真っ直ぐな道を貫ける人

その大きな分かれ目の根本的な要因になっているものは、一体何なんでしょうか?




永ちゃんの場合、脱税の報道はもちろん全くありません。

実に永ちゃんらしいです。

でも、うまく節税は出来ているのかな?

ついついそういったことを心配してしまいます。

職業病でしょうか?

しかし、そんな細かいことは眼中にないのでしょうね。

下手な小細工はしないで払うものは払う。

面倒くさいことは税理士にでも任せとけ。

そして、自分の進むべき道を極めることに、全力を尽くす。

そんな姿勢が容易に思い浮かび上がります。



「本能に負けない強い精神力」

成功者になるための条件の一つだと思います。


 




永ちゃんのポスター



事業が成功し、社員が増え、事務所のスペースも大きくなると、

次に考えるのは美人秘書・・・・・・・・

ではなくて、会社の壁に絵画を掛けたりすることです。

せっかく事務所が広くきれいになっても、何もないと殺風景です。

そこで、高価な絵でも飾って豪華さを演出してみたくなるのでしょう。

それに、絵は社員や来客の心を和ませてくれます。


さて、この絵画ですが、経費になるでしょうか?

答えは飾る絵によって異なります。

号2万円以上の絵画は経費になりません。(減価償却の対象にならず、資産にあげっぱなし)

土地や貴金属と同様に、価値が減少することはないと考えられているからです。

少々いい絵なら1号20万円も30万円もします。

仮に1号20万円としても10号の絵なら200万円です。

「それだけ支出して経費にならないなら・・・・・・・・・・。」

経費にならないと聞くと、考えてしまう経営者も多いことでしょう。

だからと言って、1号2万円もしない安物の絵は会社のセンスと信用を落しかねません。


しかし、安物の絵を買う費用で、立派な素晴らしい絵を飾る方法があります。

それは、リースを利用する方法です。

リースであれば、どんな高価な絵画であっても全額経費にできます。

変に所有にこだわって、贋作をつかまされたら大変です。

結局、私のような美術音痴はリースに限ります。



私が税理士事務所を開業したばかりの頃、

事務所の壁に永ちゃんのポスターを貼っていたことがあります。

顧問先がまだ少なく、来客もほとんどなかったからできたのでしょうね。

でも、高校のときからの友人が遊びに来たときに言われました。

「横田、少しは真面目にやった方がいいぞ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

そいつは会社を経営していて、昔から熱い男でした。

ポスターを見て、私がうわついているとでも、思ったのでしょう。

しかし、私は私なりに本気だったんです。

永ちゃんのポスターはこれから一所懸命頑張るための決意表明のつもりでした。

選挙や受験、そして会社でもキャンペーンとかするときは、何か目立つものを貼りますよね。

それと同じです。

活字や写真を見て、自分を奮い立たせる。

何かを始めるときには、この気持ち的な部分が非常に大切だと思います。




トラベリンバス



うちの事務所の顧問先の所在地は、もちろん名古屋市が圧倒的に多いです。

そして、春日井市、、豊明市、西春日井郡、刈谷市、・・・・・・

どちらにしても、ほとんどが愛知県内です。(あとは岐阜に数件)


考えてみれば、この仕事を始めてから、いろいろな市や町を訪問させていただきました。

毎年、何社かは数が増えるので、その度に行き先は増えていきます。

次第に、地元の地理に明るくなっていく自分を実感することができます。

でも、地元ONLYなんですね。

逆に言えば地元(愛知県)以外のことは、ほとんどわかりません。

完全な地元密着です。


一方、顧問先の輸出業をされている会社の社長は世界中を駆け巡って活躍されて

います。

選んだ職種によって、活動範囲は本当に様々ですね。


私の大好きな永ちゃんの曲、「トラベリンバス」には

アメリカの地名がたくさん出てきます。

♪ 「 ルイジアナ、テネシー、シカゴ、はるかロスアンジェルスまで きつい旅だぜ・・・・・・・・・」 ♪


でも、私の場合に当てはめると

♪ 「 名古屋、豊明、、春日井、はるか刈谷まで きつい旅だぜ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・♪」

なんか、締まらないですね。(笑)



行き先は違っても、人それぞれに「きつい旅」はあります。

そして、それぞれの「トラベリンバス」が。

結局、夢の道筋は自分で付けていくしかないのです。

あなたの「トラベリンバス」はあとどのくらいでゴールに着けそうですか?

昨日より今日、今日より明日、

たとえ少しづつでも前に行きたいですね。







 

やるべきときにはとことんやろう!


私の顧問先の超頑張っている社長さんのお話です。

その社長は休みに対する考え方が少し違います。

そもそも、「休み」という概念がないのです。

輸出業をしているのですが、年末年始、ゴールデンウィーク、お盆、

のようなまとまって休日のある期間は、毎年必ず海外に出張に出かけます。

社長いわく、「その期間は日本の仕事がストップしてしまうから、もったいない。

だから、海外に仕事に行くんだ」ということです。

しかも、決められた得意先に行くのではなく、新規顧客開拓の目的で行くのです。

そのほとんどが、あまり日本人が行かない所です。

タイ、パキスタン、スリランカ、ウガンダ、モンゴル・・・・・



ONとOFF、どちらも充実しているのが理想ですよね。

しかし、成功している経営者には、休むことなく猛烈に頑張っている期間が必ずあります。

仮に、能力とチャンスが同じだけあるなら、あとはどれだけ多くの時間頑張れるか、で勝負は決まります。

永ちゃんは、キャロル解散後、間髪いれずにアメリカに渡りアルバムを制作しました。

一方、他のメンバーは「少しゆっくりするよ。」とばかりに、のんびり。

もう、スタートの時点で勝負は決まっていたんですね。

仕事に対する、そして夢に対しての執着心が違いすぎます。

経営者はやるべきときには、とことんやらないといけません。


 

カリスマホスト

「カリスマホスト、脱税で告発!1億4000円所得隠し」

数年前、このような新聞記事を読みました

3年間の隠し所得約1億4000万円に対する所得税は約4000万円になります。
(この4000万円は本税なので、さらに加算税、延滞税が課税されます。その他に地方税も。)

このホスト(正しくはホストクラブ経営者)は、グラスを高く積み上げてシャンパンを注ぐ「シャンパンタワー」

を始めた人物として有名なんだそうです。

ホストとして、店に出て稼ぐのであれば、ルックスが良くて話が上手であれば、それほど困難ではないでしょう。

しかし、ホストクラブを経営するとなると、そんなに甘くはありません。

よくプロ野球で、名選手が必ずしも名監督になるとは限らない、と言われているのと似ています。

すなわち、ホストとして店に出ることに長けていたとしても、

必ずしもホストクラブを経営する才能があるとは限らないのです。

そういう意味では、このホストクラブ経営者は人間的な魅力だけでなく商才にも恵まれ、

ある意味優秀な経営者だったのでしょう。

それだけに、この脱税は非常に惜しまれます。

これだけ優秀な人が、税金ごときに負けていてどうするんですか。

支払うものは堂々と支払って、さらに上を目指して欲しいものです。

永ちゃんは、言いました。

 「男はメジャーじゃなきゃ!」と。

「メジャー」である最低条件は、誰からも後ろ指を指されないことだと思います。



おつしまえをつける


「うちの舎弟にけがさせやがって、おとしまえをつけてやる。」

「俺に恥をかかせやがって、このおとしまえ、どうやってつけてくれるんだ!」

なーんて、ヤクザものの映画やVシネマで、よくでてくる台詞です。

(少し前なら、哀川翔、竹内力出演のVシネマ、さらに前なら「仁義なき戦い」とか)

絶対に暴力はいけません。

しかし、この「おとしまえをつけてやる」と心の底で思い続けることは、実は大切なことなんです。


永ちゃんはキャロルのデビュー前、いくつものレコード会社に売り込みに行きます。

持って行った曲の中には、あの有名な「アイ・ラブ・ユー、OK」や「ひき潮」も。

しかし、ことごとく断られます。

いわゆる門前払いです。

この時あきらめていたら、今の矢沢永吉はありません。

でも、このような場合に、かえって燃えるのが永ちゃんなのです。

後に次のように言っています。

「「アイ・ラブ・ユー・OK」、素晴らしいメロディーだ、

いつか、何年かかろうが、絶対モノにしてやるって思っていた」

この数年後、永ちゃんはソロデビューをするわけですが、

その初アルバムにこの曲は収録されていますし、アルバムのタイトル名にも

なっています。

さらに、1977年、ロックアーティストとしては前人未到の武道館コンサートを行ったのですが、

その際、最後に流れたのがこの「ひき潮」です。

これらのことを、永ちゃんは「おとしまえをつけた」と言っているのです。

永ちゃんの曲をダメだと言った連中は悔しがったでしょうね。



人に見下されたり、なかなか認めてもらえなかったり、

時には罵倒されたりと、会社を経営していると、嫌なこともたくさんあります。

でも、そんな時、落ち込んでいても仕方がありません。

正面からきちんと受け止めて、逆にそれをパワーにしましょう。

私には永ちゃんのような圧倒的なパワーはありません。

でも、信念があります。

それは、「最後まで絶対にあきらめない」ことです。

あきらめなければ、失敗ではありません。

頑張り続けてさえいれば、成功する可能性があるのです。

たとえ、どんなに時間がかかろうが、ボロボロになろうが。

そして、最後にはおとしまえをつけます。

私なりに。




危機感

   この山を越えると楽になる。

   そう思ってひたすら登る。

   でも、山の向こうにはやっぱり山があるんだ。


私はそう感じることがよくあります。

みなさんもそう思われたことありませんか?

今が一番大変で、もう少し先に行くと楽になると。

でも、「楽」って何なんでしょうね。

経営者なのだから、誰にも指図をされるわけではありません。

よって、手を抜こうと思えばいくらでもサボれるわけです。

山に登ろうとしなければ、登らなくていいわけです。

でも、そこに大きな落とし穴があるのではないでしょうか。


私が税理士事務所を開業した時、税理士の先輩がこう言いました。

「税理士というのは、弁護士、社労士もそうだけど、一般的に「自由業」と言われている。

でも、いつでも休める自由があると思ってはいけない、いつでも仕事ができる自由があると思いなさい」

私もそう思います。

その心構えは大切です。

永ちゃんはかってこのようなことを言っています。

「矢沢が手を抜いたら、うしろを向いたら、グッドフレンドが去っていく、ファンも離れていく。

俺は怖さを知っている。安心が欲しい。安心してるためには、行動して裏づけをとること。」


WBCで話題になった世界のホームランバッター王さんも。

「シーズンが始まる前はいつも、今年は1本もホームランが打てないかもしれない、

と思っていた」

と巨人時代に、言っています。

毎年、圧倒的な差でタイトルを取っていたにもかかわらず。


すなわち、一流になる人は尋常でない危機感をいつももっています。

初めから、楽しようなんて思っていません。

経営者は会社のTOPです。

そのTOPが立ち止まったら、誰も後に続けません。

会社の成長もそこで終わりです。

だから、経営者は休もうとか、楽しようとか思ってはいけません。

社員の何倍も仕事をしましょう。

いつも、会社のことを考えましょう。

危機感をもって。





お客さんに合わせない



永ちゃんは昔から、よくこのようなことを言います。

「俺はファンに媚びたり、合わせたりは絶対にしない」

「ただ、絶対に手を抜かない、全力でいい曲を作るし、いいコンサートをする」

「それで、いいと思えば買えばいい」


また、こんなことも言っています。

「売れ線の曲を書こうと思えば、いくらでもできる。」

「「ファンキーモンキーベイビー」みたいな曲なら寝てても書けたよ。」

この言葉は少し説明がいると思います。

広島から出て約5年、いろいろなバンドを経て、やっとキャロルで成功を収めます。

その後、キャロルを解散しソロデビユーします。

その際、「元キャロルのリーダー矢沢永吉」を前面に出して売ろうとはしませんでした。

そのほうが楽なのに。

みんな、元世界チャンピオンとか、元○○のエースとか、芥川賞作家とか、

いろいろと過去の栄光を引きずって自分を売っていますよね。

中にはだらだらといつまでも。

でも、永ちゃんは最初から、それを一切排除したわけです。

ファンに合わせた方がより売れやすいのに、なぜ永ちゃんは、そうしなかったのか?

それは、目的意識がはっきりあったからだと思います。しかも、相当高い。

自分の目標をしっかりと定めて、それに向かって突っ走る。

絶対に振り向かない。

すなわち、過去を引きずると、それ以上に行くのは難しくなるからです。

会社経営にも、このことは当てはまると思います。

過去の成功体験ばかりにとらわれていると、思い切ったことができなくなります。

常に新しいことにチャレンジする勇気はいつも持っていたいものですね。



遠回りしよう


人には大きな転機が必ずあります。

その時、2つの道があるとして、どちらを選択するか?

・楽な方?

・近道な方?

・すぐに成功しそうな方?


永ちゃんの場合、こう考えます。

○儲かるとわかっていても、安易にファン(お客さん)に合わせた方向には行かない。

○うまくいっているやり方を自ら捨て去り、新たな道をを開拓する。さらに上に行くために。

これは、ある意味遠回りの選択です。

成功しているのなら、その道を続けていけば、楽にいい結果がでるように思われます。

それなのに、あえて自らそれを放棄して、うまくいくかどうかわからない、

自分の信じる道を突っ走って行くわけですから。

でも、ここに成功の鍵があるように思います。

人は常に楽な方、楽な方へ流されていきやすいです。

その結果、大抵、失敗することになります。

そうならないためにも、目的意識をしっかり持つことが大切です。

そして、目先のことではなくて、今、本当に自分にとって必要なことは何かを、

いつも考えて行動する習慣を身につけたいものです。

永ちゃんは以前、こんなことを言っています。

「近道をする奴は近道につぶされる」

多少、人より時間がかかってもいいじゃないですか。

人に合わせるのではなく、自分の納得できる道を行きましょう。

たとえ、それが遠回りになったとしても。


 


還 成りあがり宣言



永ちゃんは以前、このようなことを言っています。

「お金持っているのが勝ち組で、持ってなくてピーピー言っているのが負け組みなの?

「金はそんなにないけどさ、けっこう自分の人生悪くないよ」って言っている奴らが

 いい意味で勝ち組なんじゃないの?」 

(週刊文春臨時増刊号 2007年3月)



相変わらず、永ちゃん節が冴えわたっています。

でも、気になったことが一つ。

この台詞は、永ちゃんが言うからこそ説得力があるし、格好いいのです。

10代、20代の時、ものすごい上昇志向を持ち、「BIGになりたい」、「金持ちになりたい」と

がむしゃらに頑張り抜き、その結果として栄光をつかみ得たからこそ、言い切れるし、栄える

のです。

もし同じことを、結果を残していない人が言ったら、ただの負け惜しみに聞こえてしまいます。

一度も大金を手にしたことのない人が「お金じゃないよ。」、なんて言っても、サマにならない

ことでしょう。

もちろん、「結果」の大きさは人それぞれでいいと思います。

大切なのは納得のいくまで頑張り抜いたかどうかです。

何も行動を起こす前から、永ちゃんが「金よりハッピー」と言っているからと、自分に都合

のいい解釈をして、楽な方向に流れるようなことだけはしてはいけないと思います。

ひたむきに頑張り抜くことがいかに大切か、そのことがわかってからでも遅くはないのです。

最近、ライト感覚がウケていて、泥臭く努力することはダサイと言われる風潮があります。

実に寂しい限りです。

こういう時代だからこそ、昔、永ちゃんが語った「成りあがり」の精神が再び大切になって

きているように思います。

そう、「還 成りあがり宣言」




経費の考え方



事業を経営している場合、当然のことながら、経費が多いほど税金が少なくなります。

よって、経営者にとって経費になるかならないかは大きな問題です。

先日、事業を始めてまもない方から、次のような質問を受けました。



1.「スーツは経費になりますか?」

答え なりません。


2・「彼女と食べる食事代は経費になりますか?」

答え なりません


3・「美容院代は経費になりますか?」

答え なりません


一般的に、このへんは当たり前のことですね。

でも、どんなケースでも必ず当てはまるのでしょうか?

1の場合、スーツの胸ポケットによく目立つように会社名が刺繍してあったらどう

でしょうか?

会社のユニフォームなら経費ですよね。

2の場合、お相撲さんのようにたくさん食べて太ることが、ある意味仕事だとし

たら、いかがでしょうか?

一般の人が食べる量を明らかに超えている分に関しては、経費になる要素があるので

はないでしょうか?

3の場合、クラブのママのように、毎日美容院でセットしなければならないとしたら

一般の人が行く回数を超えた分は、やっぱり経費になる要素があるのではないでしょうか?

このように、業種や事情によっては、経費性に関して一概に言い切れるものではありません。

すなわち解釈の問題です。

もちろん、自分勝手な拡大解釈では否認されてしまいます。

事業を行うにあたって、どのように必要かが問われるのです。


私は、顧問先の経費が少しでも多く計上できるように、いつも最大限考えています。


ちなみに、永ちゃんの白のスーツ。

これを経費でない、という税務調査官はいないことでしょう。

 



税務調査に勝つ!(番外編)


シン兄貴の会社に税務調査が入りました。

一通り挨拶が終わり


税務調査官 「まずは会社の概況からお聞かせ下さい。」

シン兄貴   「俺は高校時代相当ぐれてて、今思うとどうしようもない奴やったんや。
 
         学校行くより暴走族の集会に行く方が圧倒的に多かったしな。(笑)
  
         族といえば、俺は特攻隊長でブイブイ言わせたものなんやで。

         特に○○年の「初日の出暴走」での俺の活躍はな、今でも語り草やで。    
       
         そうそう、その頃のダチでな・・・・・・・・・」

税務調査官 「すみません、会社の話をお願いできますか。時間も限られているので。」

シン兄貴   「は~ん?俺の会社をわかってもらうには、設立までの長く険しい道のりを語る必要性があるんやで。

         それとも中途半端な話をいい加減にしておけばいいんか?」

税務調査官 「いえ、そういうことでは・・・」

シン兄貴   「なら、あわてずよく聞けや。

         族のことを世間はみんな悪く言うけどな、本当は友達思いで情の厚いいい奴ばかりなんやで。

         俺のダチでな、・・・・・・・・」


    15分後

    
税務調査官 「す、すみません。もう昔の話はいいですから。会社の事業内容のことをお聞かせいただけますか。」

シン兄貴   「なにぃ!もういいとはどういうことや。お前が聞くから話てやってるのに。」

税務調査官 「ですから、私が聞きたいこととは内容が全く違っているんです。」

シン兄貴  「わからんやっちゃな。俺の会社はな、設立の前から語らないと理解できないんや。

        何度も同じことを言わすなや。」

税務調査官 「わかりました。ですがくれぐれも簡潔にお願いします。」    

シン兄貴   「それでな・・・・・・・・・・・・・・・・・・、(20分経過)
  
         そして、その時、女房と出会うわけや。
   
         この出会いは俺の人生にとって大きかったんやで。
     
         この愛しい女を泣かしたらいかん、精一杯幸せにしてやろう。

         そんな思いが体の底から湧き上がったのを今でも覚えているな。

         それで、族や悪い世界とはきっぱり足を洗って、今やっている商売を思いついたんや。           
                       
         女房との出会い、 その瞬間というのは、NHKの「その時歴史が変わった」のまさしく

                       「その時」だったんや。」

税務調査官 「やっと、商売の話の入り口に・・・・・、よかった。」



そこから、シン兄貴の演説はさらに盛り上がり、軽く30分が過ぎていき・・・・・・・・・

その後、実地の調査が始まりました。

税務調査官 「シン社長、これは、どのような内容のものでしょうか?」

シン兄貴  「あっ、それはな・・・・・・・・・・・・、ということや。 

         そういえばさっき言い忘れたけどな、俺のダチでな・・・・・・・・・」

税務調査官はまた話が脱線してしまったので、かまわず帳簿に目を落としました。

シン兄貴 「おい!人の話を聞くときは目をみて聞かんかい!なめとったら承知せんぞ!」

税務調査官 「は、はい。失礼しました。」

終始、こんな形で調査は進行していきました。




すみません、長々と。

実はこのような税務調査に実際立ち会ったことがあるんです。

守秘義務がありますので、内容は一部変えていますが雰囲気はこのままです。

社長が延々調査に関係のないことを話まくります。

そして、調査官が聞かないと、激怒。

この繰り返しで調査は進行し、予定していた2日間はあっという間に終わりです。

調査官いわく 

「先生、本当はまだしっかり見切れていないのですが、今回はこのへんで終わらせていただきます。

もう、こんなの初めてですわ。」

相当、まいっていた様子でした。

実際、通常の調査の半分くらいしかやっていなかった思います。

その結果、否認されて追徴課税されてもおかしくない箇所を調査官は見落としていきました。

そういう意味では大成功です。(笑)


ただ、誤解していただきたくないのは、

私が今回言いたかったのは、

「調査官をビビらせて税金を少なくしょう!」

ということではない、ということです。

税務調査はそんな甘いものではありません。

今回はたまたま、調査官が若くて気が弱いタイプで、

一方、社長の見た目がヤクザそのもので話ぶりも迫力があったから、

このようないい結果に終わったにすぎません。

本来なら、逆効果になってもおかしくないのです。

「何か後ろめたいことを隠しているな。」

と調査官に思われてしまうからです。


そういうことではなく、

税務調査の勝利パターンにはいろいろある、ということを知って欲しかったのです。

税務調査は戦いです。

戦いである以上、勝たないといけません。

そのために何をすべきか?

私はいつもそのことを考え続けています。




 
 

自分の手でメシを食う



  反撃しろ 攻撃しろ

  戦いの前提は負い目がないこと

  自分の手でメシを食って誇りをもつこと                        


                       ( 矢沢永吉著「成りあがり」より)


 「自分の手でメシを食う」とは、自分で働いてお金を稼ぐことによって生活をすることです。

よって、そこには当然ながら公務員もサラリーマンも含まれてきます。

しかし、本当の意味で、「自分の手で・・・・」と言えるのは自分で起業した経営者だけではないでしょうか?

組織の一員、組織の歯車としてただ働くのではなく、

たとえどんなに小さい事業でも、全て自分で考え行動し、

そこから生じる結果に対して全責任をとる。

それこそが、「自分の手でメシを食う」、ことだと思うのです。



頑張っても頑張らなくてもある程度の所得が保障されている公務員・サラリーマン。

頑張って成功すればとてつもなくBIGになれるが、失敗すれば最悪自己破産が待っている経営者。

あなたはどちらを選びますか?

突き詰めて考えればこのような選択になってしまいます。

人生は泣いても笑っても一回こっきり。

もし目指すものがあるのならば、奮ってBIGを目指したいものです。

そして、私はそんな夢を求めて頑張っている起業者を心から応援したいと思っています。



仮に

子供の頃、親が貧しかったために惨めな思いをしたとしても、

酷いイジメに遭ったとしても、

学生時代、ぐれてバイクを乗り回し、まったく勉強をしなかったとしても、

頑張っていたのにリストラされたとしても

どのような人でも、起業すればBIGになる可能性があります

だから、永ちゃんが言うように、

反撃しよう!



 

バイトに行かんかい!


シン兄貴  「よお!悪たぬき。何や元気ないやないけ。」
 
悪たぬき  「あっ、シン兄貴、そうなんですよ。

        実は俺の会社の飲食部門なんですが、店舗を増やしていきたいと思っているん

        ですが、店長を任せられるくらいのいい人材がなかなか見つからないんですよ。」

シン兄貴  「そうか、今は求人難やからな。」

悪たぬき  「また「リクナビ」にでも出すしかないかな。」

シン兄貴  「あほ、そんな待ちの姿勢でどないするんや。もっと積極的にいかんかいな。」

悪たぬき  「何かいい方法あるんですか?」

シン兄貴  「お前がバイトに行かんかい。」

悪たぬき  「えっ!俺がどこへ?」

シン兄貴  「これからやろうとしている店と同じ業態のところや。ライバル店ならいうことな

       しやな。」

悪たぬき  「でも、俺がバイトしても仕方がないんじゃないですか?」

シン兄貴  「つべこべ言わずに、行ってこんかい!」

      ・
   
      ・
   
      ・

      ・

      ・


  3ヶ月後


シン兄貴  「どうや、バイトの調子は?」

悪たぬき  「はあ、何とかやってますけど。これっていったいどういう意味があるんですか?」

シン兄貴  「そうあわてるなや。ところで、バイト仲間とは仲良くなれたか?」

悪たぬき  「まあ、それなりに。」

シン兄貴  「その中に優秀な奴はおるか?」

悪たぬき  「はあ、リーダーシツプがとれて機転のきくいい奴がいますけど。」
 
シン兄貴  「それや!」

悪たぬき  「うわっ!びっくりした。それがどうかしたんですか?」

シン兄貴  「そいつを引き抜いてこんかい。」

悪たぬき  「俺の店にですか?」
 
シン兄貴  「そうや、一緒に働いていれば出来る奴、出来ん奴の区別がつきやすいやろ。

        それに同僚ということで仲が深まれば、話も持っていきやすいやろ。」

悪たぬき   「なるほど。さすが兄貴、ズル賢い、いや頭がきれますね。」




このシン兄貴が用いたやり方、実は私の顧問先の社長が昔実際にやっていたことがあ

るんです。

その社長は若いのですが、実に経営センスがあって切れるタイプです。


飲食業を多店舗展開するには、お店を任せられる優秀な幹部スタッフが必須です。

しかし、なかなか求人募集ではそういう優秀な人材は見つかりません。

だからと言って、現状のスタッフを教育していたのでは店舗拡大のスピードが格段に落ちて

しまいます。

それなら、てっとり早く他からもって来よう、という発想です。

もちろんキーマンとなる人材だけでなく、店員となるべき人も一緒に狙います。

そういうお店で働いていた人は、教育もされていてそのまま即戦力になるからです。


この手法の是非はともかく。

経営者は固定観念にとらわれない自由な発想を持ちたいものですね。











慰安旅行




社員      「悪たぬき社長、毎年行われています我が社の慰安旅行についてですが。」

悪たぬき 「おう、もうそんな季節か。みんな楽しみにしているだろうな。」

社員      「それが、社長の悪ふざけが度を越しているんで、女性社員の間で不評なんです。」

悪たぬき 「そうか、前回のあれはまずかったな。俺も反省しているよ。

        でも、今回こそは全員が満足する旅行を企画したいな。」
 
社員       「でも、どんな旅行をしたとしても不平不満は出ると思います。」

悪たぬき 「それなら、不満を言う奴は行かなければいいんだ。
   
       行きたくないものを連れて行くから不満が出るんだからな。

       うんそうだ、行きたくない者は休みにしよう。

       さらに、旅行不参加ならいくらか特別手当を出す、というのはどうだ。」

社員       「特別手当があまり大きい額だと、誰も旅行に参加しなくなると思いますが。」

悪たぬき 「 旅行費が8万円、特別手当が2万円にすればいい。

        不参加者が多ければ、会社としても1人当り6万円浮いていいじゃないか。」




会社の慰安旅行については、各社いろいろと工夫をしているようです。

私の顧問先には、社長の個人的な趣味で行き先が決まる会社もあります。(社員は大変)

それはともかく、社員の給与所得に対する源泉所得税に関して、注意すべき点があります。

社員が会社から受ける現物給与などの経済的利益は、給与所得として源泉所得税の

課税対象になります。

慰安旅行の費用を会社が負担した場合には、「旅行」が経済的利益になりますが、通常

行われる社員の慰安旅行は純粋な福利厚生費なので、その経済的利益には課税しない

ことになっています。(但し、①旅行期間が4泊5日以内②全従業員の半数以上が参加、

の二つの要件を満たしていること)

しかし、不参加の社員に悪たぬき社長の言っていたような特別手当を支給するとなる

と、その取り扱いが変わってきます。


① やむを得ない事情により不参加の場合

 社員全員が旅行に出てしまうと、会社の機能は止まってしまいます。

 よって、当直者を置かなければ社員旅行に行くことができない会社もあります。

 この場合、当直者には旅行に参加できなかった分として特別手当を支給するのが

 一般的です。

 このような手当は給与所得として課税の対象としなければなりません。

 すなわち、 社員旅行の実費8万円は非課税、特別手当1万円は課税、というこ

 とになります。


② 任意で不参加の場合

 悪たぬき社長の言っていたように、「行きたくない奴は行かなくていい。」としてしてしまい、

 任意で不参加となった社員に特別手当を支給した場合にも、その額が課税対象と

 なります。

 さらに、この場合には注意しなければならないことがあります。

 それは、任意の不参加者だけではなく、旅行に参加した社員も課税の対象になることです。

 やむを得ない事情による不参加の場合には特別手当を受け取った社員にだけ課税

 すればいいのですが、任意の不参加者に金銭を支給すると、旅行に参加した社員まで

 課税の対象になるのです。

 社員が「旅行」と「金銭」を任意に選択できるので、全員に現金支給があったものとみなさ

 れるわけです。

 
悪たぬき   「そうか、任意で不参加の者に特別手当を支給してしまうと、参加者にも課税され

         てしまうのか。
  
         そんなことになったら、また不評の嵐、間違いなしだな。

         やっぱり、旅行参加者に迷惑のかかることは止めよう!」

                              
                    
                
               

1ヶ月後


悪たぬき  「慰安旅行の参加者名簿を見せてくれ。」

社員    「はい、こちらです。」

悪たぬき 「おー、たくさん参加してくれるじゃないか。すばらしい!

       ウム、この「S.S」とだけ書いてあるのは誰のことだ?」

社員    「決まっているじゃないですか。あの大阪の・・・・・・・。」

悪たぬき 「ゲッー、シン兄貴。こんなところまで・・・・・・・・・・・・・・・。」

社員   「それから、シン兄貴からの伝言もお預かりしております。」


シン兄貴からの伝言

    「今年のお前のところの慰安旅行だけど、行き先及び企画を決めておいてやったで。

     題して、「東京、大阪、名古屋、三大都市を巡る矢沢永吉コンサートツアー」や。

     コンサートでは必須のE・YAZAWAタオルも社員全員分を用意しておいてやったで。
  
     代金は特別に定価の2割増にしたるわな。
   
     ということで、ヨロシク!」


悪たぬき  「・・・・・・・・・・・・・」




   





超プラス思考



ニ年前、自宅の近くで殺人事件がありました。

場所はイタリアレストラン。

殺された方は、そのお店のオーナーです。

と、言っても一日も営業をすることができませんでした。

亡くなったのは、開店日の前日だったのです。

近所の人の話によれば、4、5日は泊まり込みで、準備に夢中だったそうです。

どんなにか悔しかったことでしょう。

起業される方の思いの強さをよくわかっているだけに、その無念さが手に取るように感じら

れます。



   
シン兄貴 「お前、あのイタリアレストランで商売やってみたらどうや?」

悪たぬき 「無理です。人が死んでいるんですよ、気持ちが悪くてとてもできません。」

シン兄貴 「そうかなあ?俺はチャンスやと思うけど。」

悪たぬき 「えー!あんなに悪条件がそろっているのにですか?」

シン兄貴 「そうや。あの店の大家は、あんな事件の後だし、今後借り手を探すのに苦労す

       るやろ。」

悪たぬき 「はい、それで。」

シン兄貴 「だったら、いい条件で借りられるやないけ。しかも、開店直前だったから、設備

       投資は全て終わってるんやで。新品をそっくりそのまま使えるしな。」

悪たぬき 「でも、無念の死をとげた悪い怨霊が出てくるんじゃないですか?怖いなあ。」

シン兄貴 「あほ、逆や。 死んだ奴はあの店を経営するのが夢やったんやで。

       きっと、「よく俺の意志を引き継いでくれた」、と喜んでくれるわ。

       そして、応援してくれはること間違いなしや!」

悪たぬき 「さすがシン兄貴、相変わらず自分勝手な解釈、いや超プラス思考ですばらしい
 
       ですね。」




シン兄貴の考え方が是か非かは別として、

人とは違う考え方をするところにこそチャンスがあるものです。

恐れず前向きに挑戦する気持ちをいつも持ちたいものですね。






罰金



シン兄貴  「よお、悪たぬき! 元気がないなあ、どうしたんや。」

悪たぬき  「最近、社員の駐車違反が多くて困っているんです。」

シン兄貴  「駐車違反の取締りが強化されて、駐車監視員がはりきっているからやな。」

悪たぬき  「そうなんです。あいつらぶっ飛ばしてやりたいっス。」

シン兄貴  「そう怒ってやるなや。むこうも仕事なんやから。それに社員もわざとやないやろ
 
       それだけ、会社のために頑張ってくれてるということやで。」

悪たぬき  「えっー、珍しく温厚なお話をされるんですね。」

シン兄貴  「そうや、俺はいつも平和主義なんやで。

        あっ、時間がない、じゃあ、またな。

         くれぐれも、。社員を怒ってやるなや。いいな。」

悪たぬき  「今日の兄貴は何か変で、調子狂うなあ。」

 

この駐車違反の反則金を会社が負担した場合、会社の損金として計上できるのでしょうか?

残念ながら損金になりません。

それは、「業務の遂行に関連してなされた行為」であっても同じです。

損金計上を認めると、罰金の一部を税金で負担する形になるからです。

一方、レッカー代や車両保管時の駐車料については、罰金ではないので、損金計上が可能

です。

また、「業務の遂行に関連しない行為」について会社が罰金を支払った場合は、役員や

社員に対する給与として源泉所得税の対象になります。



シン兄貴が帰った直後。

社員     「悪たぬき社長、シン兄貴が伝言を置いていかれました。」

悪たぬき  「どれどれ。 うわっ!」

 

シン兄貴からの伝言   
        
         「 お前から借りたベンツやけど、ちょっと目を離している間に、レッカーされてしまっ
         
           たわ。

           悪いけど、後のことはヨロシク。
          
           若い頃の苦労は買ってでもしんといかんのやで。 」









悪たぬきのたくらみ  公私混同による脱税




シン兄貴  「あれ、悪たぬき、お前珍しく機嫌がいいな。何かいいことでもあったんか?」

悪たぬき  「そうなんですよ、ついに俺にも愛人が出来たんです。」

シン兄貴  「なんだそんなことか。つまらん」

悪たぬき  「そんな言い方しないで下さいよ。俺の夢だったんですから。」

シン兄貴  「どうせ、金にモノを言わせたんやろ。」

悪たぬき  「まあ、そんなとこっス。」

シン兄貴  「金で転ぶ女なんて、最低やで。そんなん何人おっても自慢にならんわ。」

悪たぬき  「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

シン兄貴  「それより税金対策はできてんのか?」

悪たぬき  「はい、それも愛人がらみでばっちりです。 実は愛人に使う金を会社の経費

        に入れてやろうと思っているんです。たとえばこんなやつ・・・・・・・・・・。」



悪たぬきの公私混同脱税計画(愛人版)


①  愛人宅の電話代、電気代等を会社の通信費や水道光熱費等で落す

②  愛人の衣服代を作業服や制服代として会社で落す

③  愛人宅の修繕費を会社のものとして落す 

④  レストランでの愛人との食事を交際費として会社で落す

⑤  愛人との不倫旅行を出張と称して、会社の旅費交通費で落す

⑥  会社の金で大型液晶TVを買って、会社には愛人宅にある古いテレビを持っていく



シン兄貴 「お前みたいな奴はきっと女で身を滅ぼすわ。 天罰や!。 」




経費水増しの手口で一番多いのは個人的
な支払を会社で落すやり方です。

これは、もちろん愛人に対してのものだけではありません。

上記の「愛人」を「妻」や「家族」に言い換えることもできます。

実は税務署としても、これらの脱税を100パーセント見抜く手段を持っていません。

子供の文房具代を消耗品費として会社で落すようなささやかな脱税に対しては、確固たる

証拠がないからです。

しかし、経費支払の頻度や金額の大きさを中心にして、領収書の内容をチェックすると

これらの脱税は次のようにしっぽを出してきます。




① 電気代、電話代は領収書に書かれているメーター番号、電話番号から容易にどこのも

   のか判明する。

② フランス語風のカタカナ名の領収書はいかにも怪しい。愛人や奥さんへのプレゼントで

   あることが多い。

③ 建物の修繕費は金額が大きくなることもあり詳細に調べられる。工務店に反面調査すれ

   ば丸判りになる。

④ 数多くあるちょっと変わった場所の領収書は、愛人の生活費であることが多い。

⑤ 宿泊明細でダブルルームなら不倫旅行、子供料金の計算があれば家族旅行である。

⑥ 購入した電気製品は納品書にある製造番号を現物と照らし合わせれば、どこに置いて

  使用されているかが判る。



マンガやエロ本等の購入代金を、実務書や参考書と称し図書費で落す。そんなスケールの

小さい脱税について、税務署はあえてそれらを追求しないことがあります。

手間暇かけてほじくり出してもたいした脱税額にならないからです。

しかし、脱税は精神的に大きなマイナスとなります。

ささやかな脱税をして喜んでいる場合ではありません。

もっと、前向きに上を目指していきましょう!



(配役)

シン兄貴  行列ができる○○相談所の司会者

悪たぬき  元極楽とんぼのY








社長、厚生省から電話です





社員     「悪たぬき社長、お電話です。」

悪たぬき   「誰?」

社員       「それが、厚生省と言っていますが。」

悪たぬき  「えっ、なんだろう? はい、悪たぬきですが。」

???     「私厚生省の吉本と申します。先週の水曜日、悪たぬきさんは花月病院で人間ドツ

       グに入られたと思いますが、間違いないですね。」
 
悪たぬき 
「はい、それが何か?」

???   「その際に受けられた血液検査の結果が私共の方に回ってまいりまして、慎重に

         慎重を重ねよく精査した結果・・・・・・・・」

悪たぬき  「は、はい。」 

          ・

          ・
              
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          ・
 
          ・
     
           

???  「あなたの血液が厚生大臣賞に選ばれました!」

悪たぬき 「はあ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


        ・
 
        ・

        ・

???     「はははは、何が「はあ」や。 しっかりせいや。俺や俺。」

悪たぬき  「あっ、その声はシン兄貴。」

シン兄貴  「やっとわかったか。お前、途中から頭真っ白だったやろ?」

悪たぬき  「はい。そりゃあ厚生省からって言われたら、誰でもビビリますよ。」

シン兄貴  「どうして厚生省だと断定できるんや?」

悪たぬき  「だって、そう名乗ったじゃないですか。」

シン兄貴  「あほ!名乗ったからと言って必ずしもそうだとは限らんやろ。」

悪たぬき  「それに、内容があまりにもタイムリーで深刻すぎたから。」

シン兄貴  「おう、そこがミソや。」

悪たぬき  「えっ?」

シン兄貴  「お前、少し前にオレオレ詐欺にひっかかっとるやろ。」

悪たぬき   「はい、雑損控除の対象にならずに税金が少なくならんかったやつですね。」

シン兄貴  「その時と今のアレは手口が同じなんやで。」

悪たぬき  「はあ。」

シン兄貴  「まず、オレオレ詐欺も今のアレも、お前のことを慎重かつ正確に調べ上げとる

          んや。それで電話の信用度は高まるからな。」

         それから、両方とも最初に相手を徹底的に動揺さすところから始めるんや。

         交通事故、会社倒産、医療ミス・・・・・・・そして俺がやったのは病気や。

         お前、何か悪い病気じゃないか、とビビったんやろ。」

悪たぬき   「はい。」

シン兄貴   「結局、相手を信じさせ、おもいっきり動揺させるのが目的で、そうさせたら

         もう後はちょろいで。何でも言うことを聞くやろな。

          さっきも、もし俺が本気なら、あの後お前から金を出させるのも間違いなしや。

          何とでも口実を作ってな。 

        オレオレの時も、現金を振り込んだやろ。

悪たぬき   「はい、そうでした。」

シン兄貴   「でもな、仮にそれが本当のことだったとしても、振込みで済むことなんて

         あり得ないんやで。そんな簡単なもんとちゃうやろ。

         しかし、最初にビビらされてるから、冷静さを失っていて、まともに考えられ

                    ないんや。  

        いいかよく聞けよ、相手が初めての奴の場合は、最初から手離しで信用し

        てはダメや。 常に冷静になって相手を見極めろ。

        そして、簡単に即決すなや。

        相手はわけがわからない状況を作り上げ不安をあおり、金を出させるんや。

        しっかりせんと、せっかく会社で成功しても、いらんところで財産を失う羽目にな

        るで。」

悪たぬき  「はい、わかりました。肝に銘じます。」

シン兄貴  「 また、しばらくしたら、俺が大丈夫かチェックしたるわな。」

悪たぬき  「怖いなあ、シン兄貴は半端じゃないときがあるから。」



ここ数年、本当に詐欺事件が多く発生しています。

その中で、私が気になるのはネット上の詐欺です。

特に、「情報起業家」と言われている人たちには要注意です。

本屋さんで売っているようなマニュアル本等を簡単にまとめただけのものを、いかにも

スゴイ新発想の商品のように装っているケースがあります。

しかも、それらは高額なものが多いです。(それが、また価値あるものだと思わせる)

そして、内容よりもむしろ宣伝文句に半端でなく力を入れています。

誇大広告もここまでやるか、というくらい。

とはいうものの、それなりに内容に合う商品を送っているので詐欺事件にはなりにくいでしょう。

額も訴えるには、少額だし。

しかし、あの誇大広告で人をその気にさせて買わせる手口は、私は立派な詐欺だと思います。

商売とはこのようにゲリラ的に行うものではありません。

少しずつ少しずつ信用を積み重ね、長い期間にわたって地道に努力していく、

その向こう側にしか商売の成功はない、と私は思っています。










商売もナンパも同じや!




シン兄貴 「よおー、悪たぬき。」

悪たぬき 「お疲れ様です。」


♪俺たちの出会いを・・・・・・・♪ (携帯電話の着信音)


シン兄貴  「おっ、電話や。悪いな。」

悪たぬき  「どうぞ、どうぞ。」

A業者    「こちらA(株)と申します。現在キャンペーン期間中につき、○○をお得な値段で

        提供しております・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
  
シン兄貴  「いらんわ。ほな切るで。」

悪たぬき  「営業の電話ですね。」

シン兄貴  「そや。」

悪たぬき  「シン兄貴は容赦ないですね。俺はついつい相手の気持ちを考えて話を聞いてしまうけど。」
      
シン兄貴  「あほ!お前、自分のことを優しい人間や、と思っとるやろ。しかし、俺の方が優し
 
        いんやで本当は。」

悪たぬき  「えー、どうしてですか?あんなに冷たくしてるのに。」

シン兄貴  「向こうは何のために電話をしてきとるんや?」

悪たぬき  「そりゃあ、営業の仕事でしょ。」

シン兄貴  「そや。そしたら最終目的は物を売ることやろ。」

悪たぬき  「はい。」

シン兄貴  「そう考えたとき、俺みたいな奴は簡単に買うと思うか?」

悪たぬき  「いーえ。あり得ません。」

シン兄貴  「まず買わんわな。なら、俺と話をしている時間はムダとちゃうか?

        そんなことしている間に、たとえ1本でも多く他に電話をした方がいいというも

        のや。
       
        優秀な営業マンもそうでない奴もそんなに成功率は変わらせん。

        問題はどれだけ数多く営業をかけることができるかや。

        (アポ数×成功率)
 
        結局、成功率が同じなら、営業をかける数をどれだけ増やすことができるかが、

        成約数を増やすポインとになってくるやろ。

        イカン、と思ったらすぐ次に行く。
  
        すなわち、優秀な営業マンとは見切りのうまい奴なんや。

        俺が早く電話を切ってやったのには、そういう意味があったんやで。

        お前みたいに、買わんくせに話だけ長々と合わせるような奴は、結局一番たちが悪 
      
        いんや。」

悪たぬき  「はい。よくわかりました。シン兄貴はこのことを長年商売を続ける中で習得され
  
        たんですか?」

シン兄貴  「ちゃう。暴走族時代のナンパや。

        女に声をかけて「あかん」と思ったらすぐ次に行く。

        重要なのはテクニックより数なんやで。

        例えば、成功率3割の奴と1割の奴がおったとするわな。

        3割の奴は余裕をかまして10人に声をかけて3人ゲット。

        一方、1割の奴は走り回って50人に声をかけて5人ゲット。

        勝負は1割の奴の勝ちや。

        この場合のキーポイントもやっぱり見切り 。     
       
        少しでも数多く声をかけるためにな、。」

悪たぬき   「はい。わかりました。」

シン兄貴   「商売もナンパも俺に言わせたら同じや。度胸一発頑張りや!」      








詐欺に遭うくらいなら、惚れた女にお金を盗まれよう!?


悪きつね  「あーあ、テンション下がるなあ。」

悪たぬき  「どうかしたんか?元気ないようだけど。」

悪きつね  「俺の家に泥棒が入ったんすよ。」

悪たぬき  「それは大変だったなあ。それで被害は?」

悪きつね  「現金約500万円ッス。」

悪たぬき  「それは痛いなあ!でも、どうしてそんな大金を?」

悪きつね  「ここだけの話、女との手切れ金ですよ。」
 
悪たぬき  「お前は女に見境ないからなあ。」

悪きつね  「悪たぬきさんに言われたくないですよ。」

悪きつね  「でもいいっすよ、税理士によれば、今回のような盗難は「雑損控除」の対象に

        なって、確定申告のときに、税金が戻ってくるそうだから。」

悪たぬき  「えーそうなんだ。じゃあ、俺が先月、付き合っていた女に盗まれたダイヤの指輪
  
        も税金が戻ってくるかなあ。
   
        それと、2月にやられた「オレオレ詐欺」も。

        何か、希望が湧いてきたなあ。」

悪きつね  「いろいろやられてんですね。でも、それってどうなのかなあ?」


今回の悪きつねのような「盗難」、そして「横領」、「災害」等の被害に遭った場合は「雑損控

除」の対象となり、悪きつねが言っていたように、確定申告で税金が戻ってきます。

しかし、盗難、横領なら何でもOKということではありません。

「生活に通常必要でない資産」は雑損控除の対象外となります。

つまり、悪たぬきのように、ダイヤの指輪を盗まれても税金の補填はありません。

さらに、悪たぬきの遭った「オレオレ詐欺」もアウトです。(詐欺、恐喝は雑損控除の対象外)


ちなみに、雑損控除の金額の計算は次のようになります。

次の1、2のうち、いずれか多い金額

1.損失の金額-総所得金額×10%

2、損失額のうち災害関連支出の金額-5万円




シン兄貴  「悪きつね、泥棒に入られたん?」

悪きつね  「そうなんですよ。」

シン兄貴  「無造作に机の引き出しに入れとくからや。上から2番目の。」

悪きつね  「どうしてそれを?誰にも言ってないのに。」










経営者はつらいよ




シン兄貴   「よおー、悪たぬき!」

悪たぬき   「あっ、シン兄貴。」

シン兄貴   「そんなに嫌な顔をすんなや。今日はいい話を持ってきたんやで。」

悪たぬき   「本当ですか?」

シン兄貴   「俺の持っているショッピングセンターに、お前のお店が入っているだろ。」

悪たぬき   「ハイ。」

シン兄貴   「そこでな、お前の所から社員を出して欲しいんや。」

悪たぬき   「言われなくても出していますよ、商売なんですから。」

シン兄貴   「アホ、お前の店にお前が店員を出すのは当たり前や。そうじゃなくて、エレベ

        ーター担当に一人穴が空いたんや。このままだとお客さんに不自由をかける
 
        やろ。」

悪たぬき   「はい。」

シン兄貴   「お前の店の売上にも響くやろ。」

悪たぬき   「そうですね。それは困ります。」

シン兄貴   「だろー、だから出して欲しいんや。お前のところの活きのいい奴を。まだまだお互

         いバンバン稼ごうや。」

悪たぬき   「わかりました。それで、私の方からは1時間当りいくら請求させていただけるので

         しょうか? それとも日給制?」

シン兄貴   「何やそれ。お前、俺から金を取る気か?自分の店のことなのに。第一、あのシ

         ョッピングセンターの集客力のおかげで儲かってんのとちゃうんか?」

悪たぬき   「まあ、それはそうですが。」

シン兄貴   「だったら、気持ちよく人を出したらんかい。」

悪たぬき   「でも、長く続くんだったら大きな支出になってしまいます。それは痛いですよ。」

シン兄貴   「まだ、ごちゃごちゃ言うとんのかい。誰のおかげでメシ食えとるんや?」

悪たぬき   「す、すみません。」

シン兄貴   「まーえーわ。別にお前んところだけとちゃうんや。他を当ることにするわ。

        そのかわり、今後のことはわかっとるだろうな。」

悪たぬき   「わ、私がやります。」

シン兄貴   「はあー?」 

悪たぬき   「いえ、ぜひ私にやらせて下さい。」

シン兄貴   「そうかい。引き受けてくれるか。そう言ってくれると思ったわ。それじゃあ、ヨロシク

         頼むな。
      
         そうそう、お前の会社は利益が出てるんだから、経費で落せば、少しは負担が

         軽くなるやろ。」


このような場合、シン兄貴が最後に言ったように、本当にに経費で落せるのでしょうか?

もちろん、自分の店に社員を派遣すれば、純粋な給料として損金経理できます。

しかし、派遣する社員がエレベーター担当や警備員である場合には、給料としての損金性

は少なく、交際費として扱う必要があります。

それは、自分のお店の販売には直接関係なく、今後の取引を継続して円滑に行うための

費用、すなわち交際のための費用として支払われるからです。

交際費は損金算入限度額を超過すれば課税対象になります。



悪たぬき  「先生、シン兄貴に頼まれた今回の件ですが、経費で落して税金を少なくする

        ことはできますよね。せめて、ぞれで取り返さなきゃ。」

税理士   「残念ですが。これは交際費になります。しかも交際費の枠をすでに超えてい

       るので1円も税金は少なくなりません。」

悪たぬき  「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
 
       
起業することは大変なことです。

それ以上に、経営を続けることは大変です。

負けずに頑張りましょう!







悪の連鎖




月末、極楽商事の悪たぬきのところに、シン兄貴がやって来ました。

シン兄貴は極楽商事の親会社の社長で、元大阪の暴走族です。


シン兄貴  「よおっー!元気でやってるかい?」

悪たぬき  「いえ、いろいろあって、凹んでいますよ。今日は何か?」

シン兄貴  「おう、お前に頼みがあってな。実は俺の会社が儲かりすぎちゃってな、今月

        決算なんやけど、税金がかなり大きくなりそうなんや。」

悪たぬき  「それはそれは、さすがズル賢い・・・いや頭のキレる兄貴らしいや。」

シン兄貴  「それでな、お前の会社で領収書を出して欲しいんや。金額は500万。」

悪たぬき  「お金をうちに入れてくれるんですか、助かります。」

シン兄貴  「相変わらず、アホやな。金なしで領収書だけや。俺の会社の費用にすること

        だけが目的やからな。」

悪たぬき   「えっー、そんなことしたら、うちの会社の売上だけが増えてしまいますよ。

         そして納める税金も・・・」

シン兄貴  「えーことやないか。会社は利益を追求しないとな。遠慮なくとっとけ。」

悪たぬき  「でも、お金はなしなんでしょ、きついなあ。 もし、断ったら?」

シン兄貴  「もちろん断るのは自由や。 そのかわり、明日からお前の会社はずっーと

        休みになるけどな。他にも会社はいくらでもあるんや。アハハハハ。」

悪たぬき  「うーん。」



子会社にとって、親会社は税務署より怖い存在です。

協力しなければ仕事を回さない、と言われたらそれまでなんです。

結局、不正と知りながら、しかも損を覚悟に決断することになってしまうことでしょう。


領収書を発行するということは、当然ながら売上が増えることにつながります。

通常は売上が増えれば仕入も経費も増えることとなり、最終的な所得金額はそれほど

増加しません。

しかし、今回のように仕入も経費も決まっているところに売上だけを増やせば、売上の増加

イコール所得の増加となってしまうのです。

すなわち500万円の売上を加算すれば、500万円の所得が増え、500万円の所得が増

えれば約200万円の税金が増えることになるのです。

いかに親会社のため、今後の取引のためとはいえ、その負担は大きいものとなるのです。


3日後

悪たぬき 「よおっ!悪きつね。 今日は頼みがあるんだ。実は俺の会社が・・・・・・・・

       領収書をきってくれ。いやなら・・・・・・・・・・・・・・。」

悪きつね 「うーん。」


悪たぬきは自社の税金負担を軽くするために、孫会社に領収書の発行を依頼します。

大胆かついやらしく。

  
この悪の連鎖、実社会においても少なからずみられます。(特にある業界において)

今回のようなケースだけではなく、いろいろと巧妙に形を変えて。

もちろん、脱税になります。

やってはいけません。


でも、世の中とは厳しいものですね。

私は、立場上、こうした下請け会社の社長から生の声をたくさん聞いています。

それだけに、その気持ちが痛いほどわかります。

中小企業の社長さん、メケズに頑張りましょう!

頑張っていれば必ずいいことがあります。


(配役)

シン兄貴  「行列ができる○○相談所」の司会者

悪たぬき  元極楽とんぼのY

悪きつね  RブーツのA

(あくまで主観的イメージ)






悪たぬきの悪事は続かない




悪たぬき  「今期はかなり利益が出そうだから、売上を落そうぜ。真面目に申告するなんて

        ばかばかしいぜ。」

悪きつね  「それがいいですね。だったら、仕入も落しましょう。これでバッチリさ。」

悪たぬき  「お前はバカか。仕入を落したらその分利益が出てしまうだろ。そんな必要

        ない。」

悪きつね  「でも、ばれたら元も子もないよ。」

悪たぬき  「ばれねーよ。俺たちの売上先は不特定多数のお客さんだからな。調べてもわ

       からねーぜ、へへへ。」

悪きつね  「そうかなー?・・・・・・・・・・・」



売上があれば必ず仕入があります。

仕入があって在庫になければ、売上に計上されているはずです。

逆に売れていなければ、在庫として残っていないとおかしいです。

すなわち、売上と仕入は対をなすものなのです。

税務調査では、この点を必ずついてきます。


それでは、悪たぬきの言うように、不特定多数のお客さんを相手にする業種なら、調べられ

ても分からないのでしょうか?

例えば、飲食業や物品小売業など。

答えはノーです。

売上先がどんなに不特定多数であっても、不特定多数の仕入先から仕入れることは稀だ

からです。

仕入から売上を逆算することは可能なのです。

例えば、ビアハウスの場合だと、ビールの仕入本数を納品書や請求書から

つかみ、そこから在庫として残っている本数を差し引きます。

その数字にメニュー表に書かれている売上単価を掛ければビールの売上金額の適否がわ

かるのです。

先述の悪たぬきのたくらみなどは、簡単に見破られてしまうことでしょう。



矢沢永吉いわく

「負い目を作るな、筋を通せ!」


ケチな脱税をして後ろめたい気持ちをひきずるのではなく、

合法的な節税を最大限行い、道のど真ん中を歩いて行きましょう!



配役

 悪きつね  RブーツのA

 悪たぬき  元極楽とんぼのY

(あくまで主観的なイメージ)






貧すれば鈍する



おもいきって事業を起こすが、思うように売上げが上がらず、

資金繰りにいつも困った状況が続き、最終的に廃業。

残念ながら、こういうケースもあります。

でも、その場合引き際が肝心です。

かって、私の顧問先で最悪のやめ方をされた人がいます。

その会社は売上げがおちているのに、経理がいつもどんぶり勘定。

私は何とか改善されるように、いろいろとアドバイスを繰り返しました。

しかし、私の努力はムダに終わりました。

ある日突然、夜逃げをしたのです。

しかも、銀行からの借入金が入金された日の夜です。

完全な計画倒産です。

従業員の給与をはじめ、多額の債務は踏み倒しです。

多くの人に迷惑をかけて、もう地元名古屋には一生戻れないでしょう。


経営者は「貧すれば鈍する」になってはいけないのです。

どんなに辛くても、引き際を誠心誠意行えば、見ている人は見ています。

次に再起を図る場合には、手を貸してくれる人も現れるでしょう。


最後の最後、幕を閉じるときにこそ、人間の真価が問われます。

もちろん、それまでの過程も大事です。

しかし、終わり方を見れば、その人の全てがわかると思っています。



永ちゃんにもこんな話があります。

キャロルの解散が決まり、

「じゃ、いつやめる」の話になった時のことです。

他のメンバー(ジョニー、ウッちゃん、ユー)は

「いますぐにやめたい」と主張。

しかし、永ちゃんは解散コンサートの必要性を

唱えました。

それが今まで応援してくれたファンへの義務だと。

幕の引き際にきちんとスジを通すか通さないか、

この差は大きいと思います。








The One Night Show



「The One Night Show」とは約30年前、永ちゃんの後楽園球場ライブを

TV放送した際のタイトルです。

この年、78年は永ちゃんがスーパースターの座を完全なものとした記念すべき年でもあります。

☆ 「E・YAZAWA」のロゴ入りタオル登場

☆ シングル「時間よ止まれ」発売

☆ アルバム「ゴールドラッシュ」発売

☆ 「成り上がり」発売

☆ そしてこの後楽園球場ライブ


昇り龍のごとく。

まさに、今が勝負の時です。

そいう意味でも、永ちゃんのこのライブにかける意気込みは、並大抵ではなかったと思います。

やっぱり、ここぞという時には、一気にいかないとだめなんですね。



この番組の冒頭、永ちゃんは次のようなことを言っています。


「勝てば官軍と、昔の人はよく言ったもんよ。

やってしまえば正当になる場合もあるからね。

俺はよくわかっている。

だから、俺は勝ってきたんだ。

どれが正しくて、どれが間違っているというのは、・・・・ないと思う。

どれが正しくて、どれが間違っているかは、言いきった方が勝ちよ。

右、真ん中、左と行く道があるとして、右がいいと言いきった方が勝ちよ。

だから、言いきらなきゃ。

そして、自分を追いこまないといけない。」


29歳、一番パワーがみなぎっている時の永ちゃんらしい言葉です。

やる時には誰がなんと言おうとやるんだという、この意志の強さ。

時には、経営者にも必要ではないでしょうか。
                                 






泥臭く努力する



近頃、ライト感覚というか、軽いノリが主流になっているように感じます。

頑張って努力することは、「格好悪い」「ださい」とされる風潮です。

若い人が「ベンツが欲しい」と言う時

「うまくいったら乗れるかな」とか、「買えるといいな」程度の軽い気持ちから言っていることが多いです。

永ちゃんの場合は違います。

腹の底から、ぐつぐつと湧き上がるかのような、魂の叫びとも言える切実な思いで、「欲しい」と思ったことでしょう。

それは、永ちゃんの次の言葉からも感じ取ることができます。

「銭が全てだ。そう思ってしか生きてこれなかった。」 



先日、顧問先の社長が私に嘆きました。

「社員に残業を命じたら

「その日は彼女とのデートがあるからできません」

と、きっぱり断られてしまったよ。

最近はこんなことが多いんだ、そいう時代なのかね・・・・・」

その社長は、土曜日、日曜日はもちろんのこと、お正月、お盆までバリバリ働いています。

ある年などは、大晦日の夜に、決算のことで私の携帯に電話をしてきたこともあります。

常に頑張っていないと落ち着かないのでしょうね。

この社長の気持ち、よくわかります。



私達の世代は「巨人の星」や「あしたのジョー」を見て育った世代です。

そう、いわゆるスポ根ものです。

汗と泥にまみれて、ひたむきに努力をして、栄光をつかむ。

そんなストーリーに好感し涙を流しました。

今は、このような番組ってあまりないですね。

うけないのでしょうね。

やっぱり、どこか軽い?



格差社会の到来。

そう言われて久しいです。

総中流社会から勝ち組、負け組のはっきりした社会へ、急速に時代は移っています。

このことを、弱者切捨てとか言って、非難する人も多いようです。

そして、いつの時代にもいる「政治が悪い」と言って、人のせいにする人も増えてきました。

でも、考えてみて下さい?

頑張っても、頑張らなくても同じだっら、そんな社会面白くないですよ。

頑張った人にはご褒美としていい生活を、頑張らなかった人にはそれなりの質素な生活を、

とする方がわかりやすくて、ある意味公平ではないでしょうか。

ただ、頑張ったけどダメだった人、身体的な理由で初めからがんばれない人に関しては

助けなくてはならないと思います。

アメリカのように敗者復活のしやすい社会、弱い立場の人を守る社会であることは、必須です。



会社を起こされる方全員の目の前に、黄金の山があります。

それを掘り起こして自分のものにできるのか、できないのかは、その人の努力次第です。

しかし、結果の良し悪しが問題ではありません。

今回私が一番言いたいのは、

ひたむきに泥臭く努力することは、けっして格好の悪いことではない

、ということです。



頑張って、頑張って、頑張り続ければ、必ず道は開けます。

私も努力をし続けます。

そして、私は、同じように努力している経営者を、精一杯応援します。




        

中途半端はゼロだ!


はっきり言って、

私は、「普通は・・・・・・・・」という言い方が嫌いです。

「普通は・・・・・・するよね。」とか

逆に

「普通は・・・・・・なんてしないよね。」

と、いう言い回しです。


現代は横並び主義が好まれる傾向にあります。

人と同じであれば安心し、少しでも違っていると不安に思う考え方です。

「どうしてするの?」

「みんながするから。」

そんな漫才みたいなことが、平然と行なわれているのです。

そういう社会においては、人と違う変わったことをする人は叩かれやすいです。

「あいつ、変だぞ~。」

と標的にされるのです。

子供の社会で問題になっている「いじめ」も、根底はそこにあるように思います。

しかし、人と違っていることは大事な「個性」です。

本当はすばらしいことなんです。

そして、人と違ったことをするところにこそチャンスがあります。

人に惑わされてはいけません。


マリナーズのイチローがオリックスに入団したばかりの頃、

「そんな打ち方ではプロでやっていけない。」 (振り子打法)

周りからそう言われたものです。

もしこの時、イチローがそんな声に屈し従っていたら、

今のメジャーでの活躍ぶりはなかったかもしれません。

前例の無い自分のやり方に徹したからこそ、前例の無い、いわゆる前人未到の記録を

残せたんだ思います。



永ちゃんも以前こんなことを言っています。

「人の意見を聞いて、ハイそうですかって、自分のやり方を変えたって、

 結局、なんにも残りはしない。

 闘い続けるか、思い切って、スッパリと止めてしまうか、

 道は二つに一つ。 中途半端はゼロだ! 」

                                 

厳しい言い方ですが、事業経営にも当てはまる部分があると思います。
                                         






負い目を作らず、筋を通せ!



「開業しても2、3年は申告しなくてもいいんですよね。」

たまにそういうことを言われる人がいます。

2、3年くらいなら、無申告で潜っていても税務署はわからない、と言うのです

ある意味その通りかもしれません。

税務署も神様ではありません。

誰が、いつ、どこで、何を開業したかを完全に把握することは不可能です。

税務署の目の前でお店を始めるなら別ですが。

申告しないで済むのなら、その方がいいに決まっています。

たとえ2年間でも、税金分だけお金が手元に残るのですから。

しかし、本当にそれでいいのでしょうか?

税金だけを損得の基準していてると、他の面で大きなマイナスを生じることがありあます。

その一つが銀行借入です。

銀行借入をスムーズにするのは、一にも二にも過去の実績です。

この過去の実績を表すのは決算書等の財務諸表ですが、税務署の申告を怠っていたので

はそれを証明することができないのです。

資金繰りは事業経営の生命線です。

銀行から資金を調達することができず、サラ金から高い金利で借入をしていたのでは元も

子もありません。

目先のことで安易な道を選ぶと、後で何倍にもなって返ってくるのです。


もし細々と小さく事業をしていくのであれば、申告なんてどちらでもいいでしょう。

しかし、志を大きくもって事業を大きくしていきたいのであれば、1年目からきちんと申告を

すべきです。

借入のことだけではありません。

精神面においても大きなマイナスになります。

これから大きく飛躍しようとする門出において、いきなり大コケするようなものです。

それから、従業員や事業関係者も、経営者の一挙手一投足を見ています。

脱税なんてケチなことをしていて信用されるでしょうか?


矢沢永吉いわく

「負い目を作らず、筋を通せ!」

経営者にとっても大切なことです。






3000万円の指輪を贈る



若いときに大きな志を持って事業を起こす。

OFFなんてほとんどなく、ただひたすら頑張る。

その結果、つかみ得る成功。

経営者は事業が軌道に乗り安定してくると、精神的にも余裕がでます。

そんな時に、思い浮かぶのが自分の結婚です。

「今まで心配や苦労をかけてゴメン。 これからは一緒に歩いて行こうね。」

こんな台詞をうっかり、いやしっかり言って、彼女がOKすると婚約成立です。

ここまでくると、後はでもいやめでたくとんとん拍子に事は進んでいきます。

そして、彼女に婚約指輪を贈る日がやってきます。

この婚約指輪、あまり高い物を贈ると贈与税の対象になってしまうのでしょうか?

贈与税には基礎控除があり、その金額は110万円です。

つまり、1年間に贈与を受けた金額が110万円以下であるならば、贈与税は一切課税され

ません。

それならば、110万を超える婚約指輪を贈ってしまうと贈与税はかかってしまうので

しょうか?

そんなことはありません。

婚約指輪は非課税です。

指輪を贈るという古い習慣にまでは課税されないのです。

しかし、婚約指輪ならどんな物でも非課税扱いになるわけではありません。

それは習慣に合ったものだけに限られます。

税務署はこれを 「社会通念上相当なもの」 と言っています。

よく「給料の3ヶ月分」とかいいますが、そのようなはっきりした限度わくはありません。

しかし、一般の人が3000万円の指輪を贈ったりしたら、課税されてしまうことでしょう。

あくまで「社会通念上相当なもの」というところがポイントになります。


さらに、嫌でもいやめでたく事は進み、結婚式に。

この結婚式の費用、結婚の祝金も婚約指輪と同様です。

豪華な披露宴を(親)がしようとも、多額の結婚祝金をいただこうとも、

贈与税の問題は生じません。

社会通念上相当な限り。



それでは、永ちゃんの場合で考えてみます。

永ちゃんは最初の結婚をBIGになる前の貧乏時代にしています。

このときは高価な指輪なんて買えなかったでしょうね。

そして、2回目の結婚は、スーパースターとしての地位を完全なものにしてからでした。

このBIGになってからの結婚で、もし3000万円の婚約指輪を贈ったとしたら、贈与税の

対象になるでしょうか?

答えは、贈与税の対象にはなりません。非課税です。

私が永ちゃんファンなので、ひいきをしているということではありません。(笑)

これも、「社会通念上相当」だからです。

永ちゃんくらいBIGになれば、そのくらいあたりまえ、と考えるわけです。

この「社会通念上相当」ってやつ、曲者です。








「ふざけるな、やめるんだ!」



     腕利きのセールスマンが欲しい

  多くの顧客を持っているホステスが欲しい


会社やクラブの経営者なら、そう思うことがあると思います。

そんな時まず考えるのが、雑誌やネットを使っての求人です。

しかし、この方法ではなかなかいい人材を集めることができないのが現状です。

特に、最近の名古屋では有効求人倍率が高く、その傾向が顕著です。

そんな場合、少し手荒ですが引き抜きという方法をとることがあります。

引き抜きに際しては、自社の専属とさせるために、多額の引き抜き料や支度金の受け渡しが

行なわれます。

それでは、この引き抜き料や支度金は、「プロ野球の契約金」のように繰延資産として

処理しなければならないのでしょうか?

ここで、繰延資産の定義を確認しておくと、次のようになります。

「法人が支出する費用のうち、その支出の効果が支出の日以後1年以上に及ぶもの」

と、言うことは、引き抜き料や支度金の効果が1年以上に及ぶものであれば、繰延資産

とする理由にはなります。

しかし、ここで問題となるのは、引き抜き料や支度金をもらったセールスマンやホステス

の立場です。

これらの金を受け取ったからといって、一定期間専属しなければならないという拘束力は

必ずしも十分でなく、退職したいという申し出があれば、経営者はこれを拒むことはできない

ことでしょう。

とすれば、引き抜き料や支度金の支出効果が長期的に持続するという保証はないのだから

税務で繰延資産に計上する取り扱いを強制するには無理があります。

このため、これらに引き抜き料や支度金は、支出した日の属する事業年度の損金(経費)

とすることが認められています。


(まとめ)

プロ野球の契約金   

   繰延資産・・・・・・契約期間にわたって償却(費用化)


セールスマン、ホステス等の引き抜き料

   支出時に一括損金(費用)



契約といえば、昔永ちゃんにもこんな話がありました。

キャロル解散後、CBSソニーに移籍する際、所属していたフィリップスと大もめした時のことです。

フィリップスとしては永ちゃんを放したくない。

永ちゃんとしては、

「ふざけるな、やめるんだ!」

と、二転三転。

結局、永ちゃんが多額の違約金を支払う形で収まるのですが、その時の永ちゃんは格好よかった。

CBSソニーで借金をして、小切手を重役に叩きつけに行く。判を押せと。

キャロルで売れたとはいえ、まだまだこれからの一アーチストがなかなかできることでは

ありません。

自分がさらに上を目指すにはどうしたらいいか?

永ちゃんはそれをけっして目先のことではなく、もっと先を見越して決断したんだと思います。

経営者も、常にそうありたいですね。








「何回していますか?」



飲食業経営の若夫婦に開業以来初めての税務調査が入りました。

調査官  「聞いたことには何でもきちんと答えて下さいね」

夫婦  「ハイ。」

   ・
   ・
   ・    
   ・
   ・

調査は淡々と進みました。


調査官  「ところで、おたくは何回していますか?」

夫婦  「えっ」

妻は顔を赤くして、夫の顔を見た。

夫も驚き、妻の顔を見た。


 「いきなり恥ずかしいわ。」

  「そんなことまで答えるんですか?」

調査官  「そうです。何回ですか?」  涼しい顔をして繰り返した。

この頃回数が減ってきたのが気になっていた若妻は、おもいきって聞いてみた。

  「よそはどうなんですか? うちは一週間に一回くらいなんですよ。」

調査官  「そんなことではダメですね。」

妻  「ほらー、やっぱりそうでしょ。」

勝ち誇った顔で夫を見る妻。

調査官  「最低一日一回はしないといけません。」

  「えー、そうなんですか?」

調査官  「できれば、昼と夜の二回が理想的です。」

  「どひゃー!昼と夜っすか。 ま、毎日ですよねー。」

調査官  「はい、そうです。」

  「体がもつでしょうか?」

調査官  「若いのに何言ってんですか。」

  「一回あたりの時間は早くてもいいですか?」

調査官  「いいえ、大事なことですから、あわてずに念入りにやって下さい。」

  「し、死ぬ気で頑張ります。」

調査官  「きちんとレジを締めて、売上金と現金のチェックをしないといけません。

      現金管理は経理の基本ですから。」


あくまで架空のお話です。

しもネタでごめんなさい。



話は変わって、

永ちゃんは誰よりもゲネプロ(本番を想定した予行演習)に時間をかけるそうです。

華やかなロックコンサート。

しかし、その裏ではひたむきな努力が日々行われているのです。

  

経理でもロックでも、何事においても基本が大切、ということですね。








永ちゃんの金銭感覚



おもいきって事業を起こし、寝る間も惜しんで頑張った結果、つかみ得る成功。

その時のパワーは相当なものです。

しかしその後、落とし穴にはまる人がたまにいます。

よからぬ方向に行ってしまうケースです。

単純明快に例えを一つ言うなら、無理してローンでベンツを買っちゃうことです。

ベンツを買うこと自体が悪いわけではありません。

あえて少し背伸びして高額なものを買い、自ら自分を追い込むことによりさらなる成長を目指

すやり方もあるからです。

そして、ローンでなくキャッシュで買うことができ、しかもその後の資金繰りに困らない余裕が

あるなら、ベンツでもフェラーリでも何でも好きな物を買えばいいでしょう。

問題は、少し成功したからといって、すぐに個人的な満足に走ってしまい、肝心な事業を

ダメにしてしまうことです。

事業に関係ない物のために、無理してローーンを組んでいる場合ではないのです。

起業した時の夢はもっと大きかったはずです。

なぜ、その気持ちを維持し続けることができないのでしょうか?



永ちゃんはキャロル全盛時でも、家賃1万7千円のアパートに住み、銭湯に行っていた

そうです。

その頃、ハタチそこそこの若い永ちゃんは、お金についてどのように考えていたので

しょうか?

それは、当時、永ちゃんがジョニーに言った言葉によく表れています。

「ジョニー、お前、今作詞印税が入ってきてる。金ってのは怖いから、10円儲けたら1円使え

1千万円儲けたら、100万か200万ぐらい使え。あと600万は着実に貯金して、2、300万

は生活費に充てろ。

金ある時にパッパパッパ使っていたら、いざ必要な時に、金がないよ。」

                                            「成りあがり」より                                            

私はこの金銭感覚が経営者にも必要だと思っています。

ポイントは二つあります。

まず最初に、永ちゃんが言っているように「お金は怖い」ということをしっかり自覚

しておくことです。

「今はうまくいっているけど、明日は分からない。」

そんな危機感を持つことが大切です。


次に、いざという時のための準備の必要性です。

頑張っていれば、チャンスはやってきます。

しかし、幸運の女神の後ろ髪ははげています。

前から幸運の女神がやってきたら、前髪をグッグッとつかみきらないとけません。

つかみ損ねて、後ろから追っても、後ろ髪がはげているので、もうつかむことはできないの

です。

巡ってきたチャンスを着実にとらえるためにも、事前準備は必要です。

金銭的にも、そして精神的にも。



キャロル解散後、永ちゃんは間髪いれずにロスに飛びます。

新アルバム作成のため。

この時、キャロルで稼いだ印税を全て投げ出しました。

一アーチストがここまでするか、というくらいの大勝負です。

これをなし得たのも、先述のような金銭感覚があったからこそです。


その数年後、「時間よ止まれ」が大ヒットし、さらに武道館、後楽園スタジアムへと夢の実現

が続くことになります。

上を目指してやるべき時にはトコトンやり抜く。

永ちゃんの成功の過程を見ていると、その大切さがよくわかります。









性器の勃起の原則


税務調査でのお話。

調査も大詰め。

 「 「正規の簿記の原則」 に反したことをしては、ダメですね。経営者の資質が問われ

   ますよ。」

調査官にこう言われて、社長はしばらく呆然としていました。

その後、何かに気づいたように、社長は顔を赤くしてこう言いました。

「どうしてわかったのかなあ? 愛人手当てを給与として経費に入れていたのを。

 やっぱり、正妻だけに限らないとダメですね。 「性器の勃起の原則」を守って。」

それを受けて調査官は。

「何のことだかわかりませんが、そんな不正をしていたんですね。もっと詳しく聞かせて

いただきましょうか。」



上記は架空の話です。下品な話ですみません。

しかし、ここには税務調査において大切なことが含まれています。

知ったかぶりは禁物、絶対に余計なことは言わない、ということです。

「正規の簿記の原則」の意味が分からなければ、分からない、と言った方がいいのです。

勝手に推測して、先走っては墓穴を掘るだけです。

私もこれほどひどい勘違いは経験したことがありませんが、これに近いことは調査に立ち会っ

た際、実際に見てきました。

充分気をつけましょう!



「矢沢永吉にインタビューするときは、絶対に正面にいってはいけない。」

永ちゃんがまだ20代だった頃、ある雑誌にそう書かれていました。

その理由として、夢中になっておもいっきり話すのでツバがものすごく飛んでくるからだそう

です。

何事にも全力投球、永ちゃんらしい話です。


熱意というのは必ず相手に伝わるものだ、と思っています。

話が論理的であるとか、上手いとか、けっしてそういうことではありません

話し方がどんなに下手でも、たとえ意味不明なことを言ってしまっても、いいのです。

誠意をもって真剣に相手に対して話をすることができれば、必ず相手に伝わります。

不器用な私はそう思っています。







愛人手当は経費?


おもいきって会社を興し、寝る間も惜しんで走り回り、やっとつかんだ成功。

そこに至るまでの過程では、とにかく必死に頑張ります。

余計なことを考えている暇などありません。

でも、会社経営が軌道に乗って、精神的にも金銭的にも余裕ができると、男の場合よからぬ

ことを考える人もいます。

「秘書でも欲しいなあ。」

ここまではいいです。

「しかも、美人の。」

??



かって、実際にこんなたまげた質問を受けたことがあります。

A社長        「従業員の給与は経費ですよね?」
 
私      「そうですね。」

A 社長  「だったら、愛人手当も経費にしていいですか?」

私      「それはダメでしょう。従業員の給与は労働の対価ですから経費になりますが、愛人手当て

        は違うでしょ。」

A社長   「え~?愛人手当ても労働の対価ですよ。」

私      「労働は労働でも、愛人手当は会社の労働ではないですよね。」


すごいことを聞く人もあったものです。

でも、秘書がたまたま愛人だったらどうでしょうか?

秘書と特別な関係をもってはいけないとの法律も、愛人に秘書の仕事をさせてはいけない

との法律もありません。

しかし、あまりにも他の従業員と比較して金額が抜きに出ていたら、怪しまれますよね。

税務署にも、従業員にも。

それから、会社の帳簿に「愛人手当」なんて、書いてもダメです。

(これはさすがにいないでしょうけど。私の知っている社長さんは書きそうなので念のため)

おっと、いけない!

私は「経営者は愛人を持とう!」とか 「愛人手当を経費にしよう!」とか、勧めているわけ

ではけっしてありません。

あくまで、「こんな考え方もできますね」、ということが言いたかっただけです。



永ちゃんはキャロルの頃、かなりもてたことでしょう。

でも、他の3人のメンバーのように、チャラチャラと遊んではいませんでした。

目標に向かって、常に貪欲に前進することだけを考えていたといいます。

その根本的な考え方の差は、現在の活躍において、ものすごく大きな差となっています

誘惑の多い若いときに、「遊びに溺れる奴」と「ひたむきに努力する奴」。

どちらが将来成功を手にすることができるでしょうか?

言うまでもありませんね。

永ちゃんが成功したのは偶然やラッキーではありません。

成るべくして成ったのです。

私のような凡人には遊んでいる暇なんて、本来全くないのです。

永ちゃんのことを考えると、いつもそんな結論になってしまいます。

まだまだ、頑張らないといけません。

 

「成り上がり」との出会い


「成り上がり」とは、1978年に出版された、矢沢永吉の生い立ちから、スーパースターにな

るまでを、矢沢節で綴った自伝的な本です。

私は、この本を、高校1年のときに読みました。

それは、ハンマーで叩かれたような衝撃的な出会いでした。

当時、3冊買ったのを覚えています。

1冊は、学校で先生に没収され、もう1冊は何度も何度も読み返して、ボロボロになって捨て

ざるを得なくなりました。

そして、最後の1冊は、今でも私の手元にあり、大切に持っています。

内容に関しては、今後少しずつ紹介していきますが、とにかく高1の私に与えた影響は絶大

でした。

もし、この本との出会いがなかったら、税理士になれなかったかもしれない、と言っても過

言ではありません。

今でも、たくさん本を読みます。税務、会計、経営の本業に関するものはもちろんのこと、

経済小説、歴史小説、・・・・・その他マンガも大好きです。(笑) 

その中には、本当に役に立ったものや、切口が鋭く読み応えのあるもの、涙が止まらなかったもの

等々、いい本がたくさん あります。

でも、影響力の点からみて、「成り上がり」に勝るものはありません。

いい本との出会いは、その人の人生をいい方向に変えていきます。

あなたにとっての、特別な1冊は何ですか?


最後に、「成り上がり」の副題は「how to be BIG」です。

同じ本を読んでも捉えかた方は人それぞれです。

矢沢永吉がなぜBIGに成り得たか、それを解き明かすことは、会社経営にとって、そして人

生にとっても必ず有益であると思います。 




何があってもやり抜く


以前、永ちゃんはお馴染みのTV番組「ニュースステーション」に出たことがあります。

15年くらい前のことでしょうか。

コンサートツアーの真っ只中、名古屋TVに永ちゃんが来て、そこから中継です。

当時の司会は久米宏。

二人のやり取りがおもしろかった。

久米宏がツアーについて、永ちゃんに聞くと。

「ステージ、ステージ、移動、ステージ、ステージ、移動・・・・その繰り返し。雨の降らない

プロ野球選手みたいなものですよ。」

と、その大変さを語っていました。(この年は特にハードな日程だった)

永ちゃんは私の記憶では、一度もステージに穴を空けたことがありません。

どんなに熱が高くても解熱剤を注射して、フラフラになりつつ最後までやり抜いたという話を

を聞いたことがあります。

仕事に対する意気込みと責任感が違うんでしょうね。


経営においても、基本は同じです。

プロとして与えられた仕事は、何があっても責任を持って貫徹する。

そして、このあたりまえのことを、何年も何年も繰り返し続けていく。

結局、「信用」とはそういうことでしか築く道はないのでしょうね。

永ちゃんを見ていると、それを背中で教えてくれているかのようです。

経営者も見習わなくてはいけません。


最後に、久米宏が、「矢沢さん、明日はどちらでコンサートですか?」と聞くと。

「うーん、(少し考え)、明日になったらわかると思います」(笑)

スタジオ(爆笑)

一つのことに集中していると、他のことに意識がいかないのでしょうね。

永ちゃんらしいです。



永ちゃんの美学


先日、約束された時間に会社へ訪問すると社長がいない。

社員の方が携帯に電話すると、その社長は忘れて出かけてしまったそうです。

今回が初めてではありません。

前にも何度かあるのです。

もし、私も過去に同じようなことをしたことがあるのなら、あまり文句を言えた筋ではありません。

しかし、私は人と人との約束においてはどんなことがあっても守る人間です。

それは自信をもって言えることです。

と言いますか、むしろそれは社会人として当り前のことです。

それさえ守れなくて、会社が経営できるのしょうか?

芸能人、芸術家、スポーツ選手・・・・・・・・・・、才能で稼ぐ業種なら、まだ救われる面があり

ます。

ONLY ONEを徹底できるからです。(あの人がいないと成り立たない)

しかし、他のほとんどの業種において、約束を守れないということは、完全な致命傷となる

ことでしょう。


永ちゃんは間違いなくONLY ONEです。

その意味では多少チャランポランなところがあっても許される部分もあるでしょう。

しかし、永ちゃんにはそんところがかけらもありません。

○ロックシンガーにありがちな法律違反による逮捕が一度もない。

○ゲネプロ(本番を想定した予行演習)に誰よりも時間をかける。

○ステージに穴を空けたことが一度もない。

○出来上がった形を壊し、さらに上を目指そうとする。

○何と言っても、ロック一筋30年以上同じ道を突っ走ってきた。 

むしろ、永ちゃんはある意味真面目人間だと思っています。。

だからこそ、現在の確固たる地位を築けたのです。

格好よく決めるところはとことん魅せて、コツコツ努力すべきところはとことん頑張る。

それこそが、「男の美学」だと永ちゃんは教えてくれています。




鎖を引きちぎれ


 ♪
 
鎖につながれて

お前は生きるのかい

夢が やせちまうぜ
     ・
     ・
     ・
     ・
     ・
            ♪

永ちゃんファンなら誰でも知っている、「鎖を引きちぎれ」の一節です。


人間何かにつながれて生きていますね。 

鎖とまではいかないまでも。 

例えば、会社、家族、法律、人間関係・・・・・・・・・・・・。 

それが重荷になったり、ストレスになったり、大きく飛躍できない原因になったり・・・・・・・・。 

でも、つながれているから、生きていかれる、という面もあります。 

「つながれる」は見方を変えると、「つながっている」に通じます。 

「家族のために頑張る。」 とか、

「好きな人のことを考えると力がわいてくる。」 等々

このことも生きていくうえでは大切な部分です。

ただ、やるべき時には、徹底的にやらないといけません。

この「鎖を引きちぎれ」のストレートな意味のように。

経営者のみなさん、魂のシャベルで金を掘り起こしましょう! 










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